Jean Michel Pilc "Funambule"
Jean Michel Pilcは、たぶん2002年の"Welcome Home"を聴いて変な魅力に開眼したってところだと思うのですが旧盤(ピアノトリオに限る)については、後追いで買い揃えている状況でした。
という初期のアルバム群は以下の通り。
"Funambule":1989
"Together":2000(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45678632.html)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56971137.html)
"Welcome Home":2002(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45209878.html)
なので、この盤が聴いてみたい盤としては、かなり上位に位置していたのは事実であります。
しかし、この盤と"Together"の間に10年の間が空くんですね(驚)
メンツは、その後の共演も多いFrancois MoutinにTony Robesonというドラマーとなりますが、このドラムの人は知らない人です。
Jean-Michel Pilc(P)、Francois Moutin(B)、Tony Robeson(Ds)
演奏曲は、オリジナルが6曲に、John Coltrane, Sonny Rollins, Cole Porter等で全部で10曲となります。
Jean Michel Pilcの魅力と言うと既存曲をどれだけ崩して聴かせてくれるかにあるところが大きいと思うので、そう言う意味では半分以上がオリジナルと言うのは魅力が薄れているとも言えるのではありますが..
01 Pomme
02 Bessie's Blues
03 Admascarga
04 So Long Bud
05 Oleo
06 Funambule Somnambule
07 Galejade
08 Leon
09 My One And Only Love
10 What Is This Thing Called Love
冒頭、ピアノの低音に導かれた、きらきらした高音を配したソロでのイントロからスタート。
美しいフレーズでのイントロは、Jean Michel Pilcのゴツゴツとしたイメージからは、ちょっと違うかなぁという第一印象。
そこから、ベースが絡んできてドラムが絡んできてと演奏が進むにつれて、美しさにゴリゴリ感が加わってくるのですが、そのゴリゴリ感はFrancois Moutinのベースに依るところが大きいのかなぁとも感じます。
ただ、不思議な緊張感を持った演奏ではあるんですが、あっという間に終わっちゃいます。
2曲目がJohn Coltraneで、本来的には原曲の換骨堕胎を楽しめるはずなんですが、その後の魅力の萌芽を見せてくれているのは事実ですが思ったほどに崩している感じでもなく、ベースソロのゴリゴリ感のほうが際立った演奏という印象。
どちらかというと、オーソドクなジャズのセオリーに従ってますかねぇ
その後も、緩急織り交ぜた選曲で、テーマを若干崩しながらの演奏は、圧巻と言う感じにまではならないのですが、ライブならではの良い意味での心地よい粗さと勢いのある演奏をたっぷりと愉しませてくれます。
それと、なんといってもFrancois Moutinのベースは終始快調で、この盤の真骨頂は、実はFrancois Moutinのベースを聴くことにあるんだと思います。
ベストは、What Is This Thing Called Loveになるんじゃないかと思います。
Jean Michel Pilc "Funambule"(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/JZ130330-01)
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