Enrico Pieranunzi "Live at the Village Vanguard"

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Enrico Pieranunziというピアニストも安定した多作家という感じがあります。彼の作品を全部買って聴いているわけではありませんが、最近(特に後述の通り年ベストに入れた"Dream Dance"以降)は、だいたい買って聴こうと言う気になってはいます。
前作は、若手リズムを擁したトリオ作品"Permutation"、その前は2管クインテットの"Live At Birdland"。さらにその前は、2009年の年間ベストに入れた"Dream Dance"と、最近でもおおよそ年1枚程度のペースでのリリースが続いています。
 "Permutation"( http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61267758.html)
 "Live At Birdland"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59947812.html)
 "Dream Dance"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58068132.html)
それでいて、この人を気に入っちゃって過去盤を漁りだすと、キリがないくらいの枚数のアルバムが見つかって唖然とすると..

本作は、名手ピアニスト、ベーシストを擁したトリオということで、2010年のライブ収録となります。
組み合わせをちょっと調べて(http://www.enricopieranunzi.com/)みると、Marc Johnson、Joey Baronというのが多く、今回の組み合わせは、1997年の"The chant of time"以来。その前が1993年の、幻盤で有名だった"untold story"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a42844890.html)ということになるようです。
組み合わせ的には、Charlie Haden、Paul Motianなんてのが、ありそうでなさそうな組み合わせになるでしょうか..
 "Special Encounter"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0007P3708/)

ということで、メンツは以下のとおりとなります。
Enrico Pieranunzi(P)、Marc Johnson(B)、Paul Motian(Ds)

演奏曲は、オリジナルが4曲、モンク、コニッツ等他の人の曲が4曲と言うことになります。
1 I mean you
2 Tales from the unexpected
3 Pensive fragments
4 My funny Valentine
5 Fellini's waltz
6 Subconscious Lee
7 Unless they love you
8 La dolce vita

Marc Johnson、Paul MotianとBill Evans ゆかりのリズム陣を擁したトリオで、さらにScott Lafaroを擁した世界一有名なピアノトリオが残したアルバム4枚のうちの2枚が録音されたのライブ会場であるVillage Vanguardでのライブということで、かなりBill Evansを意識した内容になっていると感じられます。

Paul Motianも意識的にか無意識にか、当時のドラミングを彷彿とさせるものがあるように感じられます。
Enrico Pieranunziも、元からBill Evans系ピアニストと言われていますが、リリシズム溢れる演奏は、心に沁み入ります。

選んでいる曲もその演奏ペースも往時のBill Evansを意識したものになっていたんだと思いますが、冗談抜きで油断して聴いていると当時のエバンスのアルバムを聴いているような錯覚に陥りそうに。。(良い意味で)

Bill Evansをしっかり意識した演奏であることは間違いありませんが、だったらオリジナルを聴けば良いじゃないかとは、言わせない演奏クオリティの高さを持っていることは、疑いません。聴いて損はしないっす。
ベストは、Subconscious Leeとしておきます。この曲がこの盤のハイライトになっていると思います。


Enrico Pieranunzi "Live at the Village Vanguard"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00B00HWLE/)

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