Shai Maestro "Shai Maestro"

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2012年6月に出ていたShai Maestroのリーダー作を今頃入手しました。

発端は、Avishai Cohenの"Night of Magic"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61871897.html)を聴いたら、 Shai Maestroのピアノがことのほか良かったので、リーダー作も聴いてみようという気になって購入したものとなります。
Avishai Cohenと共演していることから推測できるかと思いますが、Shai Maestroもイスラエル出身のミュージシャンとなります。本当に、最近のイスラエルのミュージシャンの躍進は恐ろしいほどのものがあります。
彼は、本年(2013年)3月に来日してライブも行っています。

ピアノは、当然Shai Maestroですが、ベース、ドラムは"Night of Magic"とは異なります。
Jorge Roeder、Ziv Ravitzという面容になりますが、両者とも知らない人です。

Shai Maestro(P)、Jorge Roeder(B)、Ziv Ravitz(Ds)


演奏曲は下記10曲。9曲目がトラディショナルで他はShai Maestroのオリジナルとなります。

01. Confession (0:31)
02. Sleeping Giant (7:02)
03. Brave Ones (9:57)
04. Painting (5:03)
05. Silent Voice (5:41)
06. Angelo (4:27)
07. Lethal Athlete (2:53)
08. The Flying Shepherd (4:59)
09. Kalimankou Denkou (4:54)
10. One For AC (4:33)

1曲目、ちょっと郷愁を感じさせるイントロで30秒ほどの楽曲。
2曲目は、中近東な雰囲気を感じさせるテーマで、ドラマチックな展開で、ほどよく疾走感を感じさせる演奏。前半のベースアルコでのテーマが印象的。
3曲目が、テーマがちょっと牧歌的な雰囲気を感じさせるメロディアスで美しい曲。
4曲目、高音基調の美旋律のピアノにアルコのベースが絡むスローな楽曲。
5曲目も、中近東系の雰囲気を持ったテーマだが、全体の雰囲気は4曲目に近い気がする。
6曲目、哀愁感を感じさせるワルツ。後半の盛り上がりが、やけに気持ち良い。
7曲目、ドラムに導かれるうねうねしたリズムでありながら行進曲感のある3分弱の小品。
8曲目が、早いフレーズのターキシュな雰囲気になるんですかねぇ。疾走感のある演奏。この曲も、なかなか格好良い。
9曲目が、唯一のオリジナルでない曲でたぶんピアノソロ。クラシックな雰囲気を持った曲。
10曲目は、いかにもAvishai Cohen のアルバムで聴けそうな、タイトルがいかにもな楽曲。
そして、4分くらい無音部分があって、隠しトラックが入ります。
前半は、たぶんピアノの代わりにカリンバのような楽器を使っていると思われるが、3つの楽器が打楽器的な音を出して繰り広げるエスニカルな曲だけど、ちょっと面白い演奏。

しっかりめなタッチでがっちりした音を出すが、出てくるフレーズはメロディアスで良く歌うピアノ。
ちょっとゴリゴリ感を感じさせるタッチの強さも垣間見せるが、ピアノと相まって歌心を発揮するベース。
5曲目での高音域多用のソロが実は結構格好良い。
そう派手な感じではないが凡庸な演奏はしていない、でも堅実なバッキングを繰り広げるドラム。
全般的に、多かれ少なかれクラシックの素養を感じさせる曲とフレーズが多い印象が感じられるが、温度感は決して低くならず、それがShai Maestroトリオの個性になっていると感じられる。

中近東系に違和感がなければ(多少くらいあっても)良い旋律の曲が多く、気持ち良く聴けるアルバムに仕上がっていて、どの曲も魅力的に響いてくる。個人的には、かなり惹かれる曲が目白押しでもっと早くに聴いておけばよかったと思ってます。

ベストは、6曲目にしておきます。他にも良い曲たくさんあるんですが..


Shai Maestro "Shai Maestro"(http://www.amazon.co.jp/dp/B007I82BA4/)

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