John Moriarty "Echoes"

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John Moriartyというアイルランドのギタリストのリーダー作で、2012年7月にNYで録音されたものでとなります。
おそらく彼のファーストアルバムになるんだと思います。
この盤は、たしか新譜を漁っていてなんとなく気になってキープしてあったものを抱き合わせの関係で購入にまわしたんだと思います。
これを買った頃っていろいろ欲しい盤が多かったので、その中で購入に至ったと言うのはなにか(野生の勘的に)ひっかかるものがあったんだと思います。

メンツはピアノトリ+ギターという布陣になりますが、特にメンツ買いを誘因するような人がいるわけでもなく..
Matt Clohesyは聴いてるはずですが、他の人は知らない(初だ)と思います。
John Moriarty(G)、Randy Ingram(P)、Matt Clohesy(B)、Adam Pache(Ds)

演奏曲は、3,4,5,7がオリジナル。他はJerome kern, wayne shorter, billy strayhorn, Karl suessdorf
といった面々の曲。というのは、おおむね往年の名曲で良いと思います。
1. Yesterdays
2. Fall
3. Echoes of the Future
4. Ninety Six
5. Meandering
6. A Flower Is a Lovesome Thing
7. Delirium
8. Moonlight in Vermont

オーソドクスに4ビートからコンテンポラリ系の楽曲を演奏するギターカルテットのアルバムとなります。
1曲目は、有名なYesterdaysをテーマを断片的に表出することでコラージュのような効果をだした演奏。
2曲目はwayne shorterのfallなんですが、ギタリストとしては、Kurt Rosenwinkelが2009年のアルバムで選曲(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58862111.html)しているところからの影響が大きいんだと思います。
演奏もKurt Rosenwinkelのものを彷彿とさせるような演奏を繰り広げています。
3曲目から3曲がオリジナルとなりますが、4ビート基調、スローな3拍子、8ビートという展開でここでもオーソドクスなスタイルの演奏が続く感じとなります。
6曲目は有名なバラードですが、これも正統的なサウンドで正統的な演奏を繰り広げるものではありますがここでは凡庸というより安心して聴ける演奏と言いたいところです。
7曲目もオリジナルとなりますが、スネアがカツカツとリズムを刻む上で、聴き馴染みするテーマが格好良い8ビートの楽曲。ギターののびのびとしたソロが印象的。でも、その後のピアノソロのほうが良いかも..
8曲目だけアコギを使っているんだと思いますが弦のすれる音が生々しいエンディングにふさわしいほのぼの感のある曲。

乾系のからりとしたドラムの音、ベースもしっかりとした音でしっかりとしたフレーズを弾くタイプでしっかりと硬派に形成されたリズムが、なかなかに気持ち良い。
そこに、ジャズとして正統な音を奏でるギターがちょっと溜めを持った単音の繋がりで紡ぎだすこれまた正統なフレーズでテーマとソロを奏でるわけですが、そこそこ早いフレーズも淀みなく弾ききる上手さはあるが、あまり派手な演奏をするタイプでもなくインパクトにはちょっと欠けるかなぁと..。
なもんで、どの曲も冒頭のテーマと直後のソロはギターが担いますが、その後のピアノソロのほうに耳をひきつけられる傾向を感じるってのが。。。
全体にけっしてつまらない演奏と言うことはないのですが、ただ"おっ"と思わせるような仕掛けがあるわけでもなく、まっとうに演奏をしている良さが伝わらないとちょっと凡庸に感じてしまう部分もあるかなぁと思っても見たり。

ベストは、オリジナルに敬意を評して7曲目にしておきます。

John Moriarty "Echoes"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00BHX0BDK/)

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