Alex Sipiagin "Live at Smalls"
criss crossの盤はピアノレスの2管カルテットという編成でしたが、こちらはピアノが入った2管のクインテット編成となります。
メンツ的には、OPUS5(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61617934.html)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60939658.html)とほぼ同じで、ドラムだけがDonald EdwardsからNate Smithに変わっています。この程度の差だと、本質的にはスケジュール的にトラが入っただけで、同じユニット名義でも大丈夫だと思いますが、ここではAlex Sipiaginのリーダーバンド名義となっています。もしかしたら、opus5がcrisscrossレーベル固有のユニットとなっているのかもしれません。
Alex Sipiagin(Tp)、Seamus Blake(Ts)、Dave Kikoski(P)、Boris Kozlov(B)、Nate Smith(Ds)
演奏曲は、Alex Sipiaginのオリジナルばかりの全5曲となります。全部の曲が10分を超えるじっくり料理した演奏をしています。
1 Live Score
2 Videlles
3 Calming
4 Pass
5 Returning
Alex Sipiaginの前作"Overlooking Moments"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61902976.html)が空間を多くもった即興の応酬といった作品集だったのに対し、本作は2管のアンサンブルを重視したハードバップスタイルに近い、構成のしっかりした作品集と言うことになります。
opus5と較べると、同様の曲調となりますが、もう少しストレートに温度感の高い演奏をしている印象があります。
テーマを2管のアンサンブルでしっかり決めた後、各人のソロとなるのですが、各人それぞれの持ち味と曲調とを加味したソロを繰り広げるというのが基本構成。
特に1曲目でのSeamus Blakeのソロはかなり気合の入った演奏をたっぷりと時間を使って繰り広げていて好感触です。他の曲でも、これだけ演ってくれれば文句なしと言うソロをたっぷり聴かせてくれます。
Alex Sipiaginは、ぶち切れるところまで行く演奏はほとんどないんですが、どの曲のどの場面でも安定した良いソロを繰り広げています。全体のトーンの違いもありますが、前作ほどアグレッシブな即興と言う感じにはなっていません。(どっちが良いって問題でもないんですが..)
そして、Dave Kikoskiですが、この人も管のバッキングに入ると実にいい味のある演奏を繰り広げるという印象がありまして、ここでもそう目立つ感じではないんですが要所でオッと思わせるフレーズを繰り出して演奏をしっかり締めています。
順番は、Alex Sipiagin、Seamus Blake、Dave Kikoskiというパターンが多そうです。
リズムもタイトかつアグレッシブに締まった演奏をして好感触。特に、ドラムの乾系のサウンドが演奏を煽るさまってのは、かなり気持ちいいもんがあります。
"Live at Smalls"シリーズは、日常のライブを切り取ってリリースしていると認識しているのですが、こういう演奏が聴けた日は、充分満足して家路に着けるんだろうなと
ベストは、各人のソロが冴えているのは1曲目だと思うので、これにします。
それと、このブログから"Live at Smalls"だけ抜き出してまとめたブログを作ったんで紹介しときます。
http://blog.livedoor.jp/pabljxan-7126/
Alex Sipiagin "Live at Smalls"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00CC9PAUM/)
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