Kurt Rosenwinkel "Heartcore"

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Kurt Rosenwinkelは、2005年の"Deep Song"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a493169.html)あたりから注目して聴きだしてそれ以降のアルバムは全部買っているつもりですが、それ以前のアルバムは全部は持っていなかったりします。(熱狂的なファンのふりしてますが、実体は。。(汗))
ということで、全部持ってる盤の直前の2003年にリリースされた"Heartcore"を遅ればせながら入手してきた次第であります。
blogに記載のある"Deep Song"以前の古いアルバムは以下の2枚となります。
 "East Coast Love Affair"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a40370076.html)
 "The Next Step"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a49377990.html)
2000年の"Enemies of Energy"と1999年の"Intuit"が足りてないと言うことになりますが..持ってたかなぁ..

ということで、2003年のこのアルバムですが、プロデュースをKurt Rosenwinkel本人とQ-Tipの2人が担当しているところが、特筆になると思います。Q-Tipはヒップホップ系のミュージシャンになるようです。
ただし演奏しているメンツ的にはジャズ畑の人だらけとなります。が全曲で生ドラムが演奏されているわけでもなさそうで、この辺どうなっているのかちょっと気になるところです。
Kurt Rosenwinkel(G,Key,Ds,Programing)、Mark Turner(Ts,BCl:1,2,6,9,11)、Ben Street(B:2,3,6,8,11)、Jeff Ballard(Ds:2,3,6,9,11)
Ethan Iverson(P:6,9)、Andrew D'Angelo(BCl:4)、Mariano Gil (Fl:5, 8)

演奏曲は以下の通り。11曲目が共作でそれ以外はKurt Rosenwinkelのオリジナルとなります。
1. Heartcore
2. Blue Line
3. All The Way To Rajasthan
4. Your Vision
5. Interlude
6. Our Secret World
7. Dream/Memory?
8. Love In The Modern World
9. DCBA//>>
10. Thought About You
11. Tone Poem

Kurt Rosenwinkelのところに、Programing とあるように打ち込みで作られたトラックが多くありそうな気配となります。
ジャズギタリストとして考えると生演奏にこだわっていないアルバムを出すってのはもの凄いなぁと..
冷静に内訳をみると、ベース、ドラム抜きが1,4,5,7,10。ドラム抜きが8。ベース抜きが9。ということになるので、この辺がこの盤のミソになりそうです。さらに、7曲目は1人で全部の楽器を担当していることになってます。

1曲目の最初からいかにも打ち込みのリズムがイントロから流れ出しちょっとビビります。その上に、Kurt Rosenwinkelの彼らしいギターサウンドがのっかるので、すぐに安心感というか普通に聴けますが..
その後、リズムも音はオーソドクスなものになりますが、シンセっぽいエフェクト音が加わり独特な雰囲気ですが、ただ、Mark Turnerのサックスソロなんかも入ってジャズっぽさも残った曲。
2曲め3曲目は人力リズムで普通の演奏が楽しめるのですが、4曲目がスペイシーなイントロから単調なリズムの曲でバスクラが印象的。でも、この雰囲気はかなり独特なものと感じているが..。
6曲目がその後有名になるOur Secret Worldですが、(人力ですが)その後の演奏と比して実に淡々としたリズムの曲。
7曲目のリズム隊なしの曲は、シンセ系エフェクト音を多用したスペイシーな曲。加工した声が主旋律で、ギターも効果音としてしか使ってない?この曲のアイデアが"Star OF Jupitor"に反映されているのかも..。
8曲目はドラムレスの静かな前半から、ドラム(Kurt Rosenwinkel?)が入ってフルートの美しい音色を聴かせる後半という2部構成の曲。
9曲目はクレジット上ベースが入っていないことになっているので打ち込みかもしれません。ちょっと大仰な作風でエンディングがちょっと劇的で(^^)。

HipHopの巨匠を共同プロデューサに迎え、ジャズ一辺倒ではないサウンド作りを目指しつつ、BackShot Le Fonque、RH Factor等のように直球勝負を仕掛けてこなかった作品ということで、その後のRobert Glasperへと続くJAZZとHipHopの融合にどう結び付いていったかとか調べてみると面白いかも..。
そういえば、Rafiq Bhatia "Yes It Will"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61852664.html)に、柳樂さんが「『KURT ROSENWINKEL/HeartCore』への10年越しの回答」なんて冠をつけてツィートしていました。
個人的感覚では・・・(とここで、"Yes It Will"を聴き直す)、"Yes It Will"が"HeartCore"の進化の1つの形というのは判る気はします。部分的に同じ語法を使用した演奏形態を取っているのも感じられますかねぇ。
「回答」って言うのが、 ・・・でも、なんか判る気がするなぁ(汗)
ちなみに上掲の"Yes It Will"の文を書いたときに、私は"HeartCore"を聴いてません。


Kurt Rosenwinkel "Heartcore"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0000A0I90/)

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