Eric Revis "Parallax"
この盤は、ここ最近のCD買い過ぎの状態の中で、買おうかどうしようかずっと迷っていた盤だったのですが、2013年4月開催の異種格闘試聴会(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61900740.html)で聴いて、やっぱり買わないと、聴かないと、となって買い込んできた盤となります。
これが、3枚目のリーダー作になるようです。
メンツは、名前を見ただけでちょっと難易度高そうな気配を感じさせる下記4名となります。
Ken Vandermarkも、以前の新譜試聴会でT氏がいろいろもちこんでいたので、個人的には馴染みのある名前となっています。
凄い多作な方ですが、私は1枚だけリーダー作を買って聴いてます。(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a55279832.html)
Eric Revis(B)、Jason Moran(P)、Ken Vandermark(Ts,Cl)、Nasheet Waits(Ds)
演奏曲は、13曲。Eric Revisのオリジナルが6曲、Ken Vandermarkの曲が1曲。4人の共作が2曲、その他
となりますが、13曲目のクレジットの記載がありませんでした(笑)
01. Prelusion
02. Hyperthral
03. MXR
04. Split
05. I'm Going To Sit Right Down And Write Myself A Letter
06. Percival
07. Dark Net
08. Celestial Hobo
09. Edgar
10. IV
11. Winin' Boy Blues
12. Enkj
13. Parallax
ベースのアルコ弾きの多重録音で1分強のフリーキーな曲が1曲目。
続く2曲目もベースソロから完全なフリージャズな演奏が繰り広げられ。。と、のっけから思いっきり難易度の高い演奏でスタートします。
Ken Vandermarkが入っているところから容易に想像はつくのですが..
3曲目が、ダークで重めなテーマを持った曲で、中盤からリズムが明瞭になるが、このリズムも重いというか..
このドロドロ感もKen Vandermarkが入っていることを考えると納得できるところがあります。
4曲目は、スネア多めのリズムは(相対的には)軽めではあるが、全体には重厚な雰囲気を持った4ビート。
ここでのJason Moranのソロはなかなかに格好良い。
以降、基本的にはフリー基調で難易度は高めの演奏が多くはなりますが、いろんな表情を持った曲がいろんな側面を出しながら進行して進行する演奏は、とっつきが悪い部分もあるんですが、なかなかに聴かせる演奏を繰り広げています。
フリー基調の演奏というと、特にリズム感が希薄な場合、各人の演奏の力量がすべてと言っても過言でない状況になると思うんですが、そういう意味でもこの4者の演奏は聴き応えのあるものになっていると思います。
Eric Revis(B)、Nasheet Waits(Ds)が作り出す重厚感のあるリズムの心地よさ。
リズムなしの無調状態でも、2人が作り出すサウンドががっちりと音楽の空間を形成していくのは、見事なコンビネーションだと思います。
そこに、Jason Moranが空間を埋めるようにピアノを入れていくのですが、重厚なリズム隊のサウンドとのコントラストが際立つ見事なバランスでの音数で唸らされます。
また、ソロ部分での演奏も、ちょっと耳を奪われるものがありまして。。
実は、Jason Moranが参加している作品ってあまり聴いてなくて、リーダー作は1枚(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59718983.html)だけ。
最近作が2012年2月頃のJack Dejohnette盤(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61141090.html)だったりとあまり聴いてないんですが、今後はちょっと気にしていかないとだめかなぁと思ってみたり..
※ここのところ、若手中堅の演奏にとてもおもしろいものが増えてきていて。。。
とはいえ、原資も限られているので、大御所のアルバムは買い控えて対応するしかないか
とかいろいろ考えてますです。
そして、Ken Vandermarkですが、サックスの骨太な咆哮でありながら、地に足がついているというか安定感のある音ってのは彼の真骨頂なんだと思います。たまに聴くから良いってのもあるとは思いますが、もうちょっと有名になってもよさそうな人材だとも思います。
曲によってクラリネットも演奏してますが、こっちは重め軽減に役立ってる感じ。
全体にフリー基調だし重めの演奏が多いため、こういう演奏を楽しむのには多少なりとも聴き馴染んでいるとか抵抗感を減じておくことが肝要な気もしますが、それにしてもこういう演奏を楽しめる感受性ってのは持っていたいと個人的には思っています。
ベストは、(でも、)難易度があまり高くない4曲目にさせてください(笑)
Eric Revis "Parallax"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00ABBMD2G/)
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