Bill Frisell "Big Sur"

イメージ 1

Bill Frisellの新譜が届きました。(6月中旬に)

前作がソロでのフリーインプロで今年の3月に紹介しています。
 "Silent Comedy"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61822376.html)
直前に、リーダーじゃないですが
 Ron Miles "Quiver"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61755569.html)
さらに、買ってないですが、Lee Konitzと演ってた盤
 Enfant Terribles(http://www.amazon.co.jp/dp/B008SVS44W/)
その前は、 Floratone名義の2作目がその約1年前(2012/04)
 "Floratone 2"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61212178.html)
その約半年前(2011/10)にJohn Lennon集をリリースしています。
 "All We Are Saying"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60897740.html)
Jenny Scheinmanが入ったアルバムは上記John Lennon集と、その約半年前(2011/06)にリリースされていた
 "Sign Of Life"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60549785.html)
以来と言うことになります。ついでにもう少し書いてしまうと..
Vinicius Cantuariaとのデュオが2011年2月に紹介
 "Lagrimas Mexicans"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60308007.html)
変則トリオで録音された2010年9月紹介の
 "Beautiful Dreams"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59889980.html)
2009年8月紹介のカントリー調の作品はJenny Scheinman入りです。
 "Disfarmer"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58381902.html)
Bill Frisellってどうしてこうも多作なんでしょう(苦笑)

メンツですが、本作は3弦楽器+ドラムという組み合わせとなります。
Jenny Scheinman入りのユニットで見ていくと、"Sign Of Life"が弦楽器3人+Bil Frisell、"All We Are Saying"がViolin+Guitar(2人)+Drumsという構成だったことを考えるとその融合系みたいな本作の構成はなんとなく想像できてきます。

Bill Frisell(G)、Jenny Scheinman(Vin)、Rudy Royston(Ds)、Eyvind Kang(Viola)、Hank Roberts(Cello)

演奏曲は、てんこ盛りの19曲。全部Bill Frisellのオリジナルで、タイトルになっているBig Surというところで書いたとライナーに書いてありました。
01. The Music of Glen Deven Ranch
02. Sing Together Like a Family
03. A Good Spot
04. Going to California
05. The Big One
06. Somewhere
07. Gather Good Things
08. Cry Alone
09. The Animals
10. Highway 1
11. A Beautiful View
12. Hawks
13. We All Love Neil Young
14. BigSur
15. On the Lookout
16. Shacked Up
17. Walking Stick (for Jim Cox)
18. Song for Lana Weeks
19. Far Away

演奏ですが、本作も、最近のBill Frisellの作品の一端を担っているオールドアメリカンソングの範疇にはいるような楽曲が大半をしめているという認識で良いと思います。
ViolaとCelloが作るバックトラック(リズムだったり、単調フレーズ)の上で、GuitarとViolinが主旋律だったり、即興だったりを奏でるような流れが大半になります。
それが、1曲目4曲目のようにリズムはしっかりしているがビートのない曲や、3曲目5曲目のように、ドラムが前面に出てビートがはっきりした曲というような感じに異なる色付けがされて表出されます。
曲数はてんこ盛りですが、2分から4分代の曲が大半を占めているため、上記のような感じで(大枠では似ているのではありますが)雰囲気を変えた曲が、次から次へと現れては消えていくような構成になっています。
曲自体はこれまでのBill Frisellの語法に近いと感じてますが、使う音(特にBill Frisellのギター音)はだいぶ変化してきています。楽器構成にあわせた音作りとかしてるのかもしれません。

本作の主役はJenny Scheinmanの上手いんだか下手なんだかわからないけど妙に味のあるViolinのサウンドなんだと思います。
Bill Frisellも、要所で前面には立ちますが、どちらかというとバッキングしている印象のほうが強い気がしています。

ということで、もしかしたらこの盤でのBill Frisellは、演奏よりも作曲、編曲のほうに力点を置いたアルバム作りを目指していたんじゃないかと推測します。
それとも、ただ単にJenny Scheinmanの魅力にヤられていて、前面に出していただけだったりして..

ベストは。。。突出して良い曲って無い印象ですが、1曲目のインパクトは大きいと思います。

Bill Frisell "Big Sur"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00C5WR6JE/)

この記事へのコメント