Alex Sipiagin "From Reality & Back"
前作が7月紹介の"Live at Smalls"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62033116.html)
その前が4月紹介の"Overlooking Moments"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61902976.html)
と、年内3作目のリリースとなります。2012年はリーダー作のリリースなしですが、OPUS5名義でのアルバム"PENTASONIC"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61617934.html)が出てますし、他にも参加作はあるようです。
しかし、1年に3枚リリースってのは、よほど自身の気分が高揚し自身の演奏が満足できる良い状態になっているということなんでしょう。
なんで、下記するメンツ面でもそうですが、Alex Sipiaginの絶好調な演奏を楽しめる意味でも期待感の持てる作品と言えると思います。
メンツもよくぞここまで集めたと狂喜驚嘆する以下のご仁の2管編成となります。
Alex SIpiagin(Tp)、Dave Holland(B)、Seamus Blake(Ts)、Antonio Sanchez(Ds)、Gonzalo Rubalcaba(P)
演奏曲は、オリジナルが7曲にPat Methenyの曲(7曲目)を加えた以下の8曲。
1 Around the Bend
2 With The Tide
3 From Reality and Back
4 End Of...
5 Here And Now
6 Chain Reaction
7 Son Uvedeny Posle (Dream Seen Later)
8 Maze
冒頭、Gonzalo Rubalcabaのエレピのイントロから2管のアンサンブルのテーマというオープニング。
2管アンサンブルの心地よさと、その後のソロの心地よさの両方が好感触。曲構成が、テーマ->ソロ・・・ソロ->テーマと判り易いところも^^であります。
2曲目は、ベースの単調なリズムに2管アンサンブルのテーマ。その後、アコピでのGonzalo Rubalcabaのソロとなるが、これがなかなかに格好良い。
以降、ほとんどの曲が、似たようなテンポと似たような曲構成雰囲気の曲が並んでいると言ってしまえばそうなるのかもしれないですが、アルバム1枚を同じ雰囲気で聴き通して違和感を感じないところをこのアルバムでは評価したい。
それでいて、それぞれの曲で2管アンサンブルのみならず4者の入り乱れた掛け合いがそこここに表れてエキサイティングな演奏を楽しむことができます。
最近、某サイトで"Ensemble Improvisation"と言う語を目にしたのですが、その本来のサウンドがどういうものを指しているか知らないですが、ここで聴かれる演奏も、"Ensemble Improvisation"を体現しているサウンドなんだろうなと、勘繰っているのですが..
個人的にこのアルバムは、延々だらだら聴き続けてふと我に帰って、陶酔している自分に気づくような聴き方を多くしていたと思います。
とりたてて派手だったり奇抜だったりと言うことはないけど、しっかり聴かせるアルバムに仕上がっていると感じています。正直結構好きです。
と、ここで前作"Live at Smalls"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62033116.html)の文を読み直していたら、本作とメンツは違えど人員構成が同じでした。ちょっと聴き直すと演奏の雰囲気も似ているのでAlex SIpiaginの最近の好みのサウンドは、こんな感じになっているシーンの大いなる流れからすると、ピアノレスだったり、ピアノの代わりにギターが入った構成が多かった印象を持っていたが、ここにきてオーソドクスなピアノ入りクインテット編成が復興しているのかもしれないです。
ベストは、6曲目になると思います。
Alex Sipiagin "From Reality & Back"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00DHVVMJM/)
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