Dave Holland "Prism"

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Dave Holland "Prism"のCDアルバムがようやくリリースされました。
2012年9月に、中年音楽狂さんのblogで紹介され、どうにか音源を聴くことができ(当時、youtubeでも演奏は聴けた)、ぶっ飛んだ経緯があります。
 その時の記事がコレ(http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2012/09/dave-hollandpri.html)
その後、いくつか断片的な音源は聴いていたのですが、早く正規盤CDでの演奏を聴きたいと切望していたユニットとなります。

Dave HollandのそれまでのバンドはChris Potterを擁する2~3管での編成が多く、変拍子の嵐のような複雑な構成の曲が多いアルバムと言う印象でしたが、このバンドは、あまり技巧面での凝った内容のものは多くなく、勢いのある演奏を聴かせてくれるユニットとなっています。

そのメンツは以下の通り。Dave Holland、Eric Harlandがリズムの土台を形成する上に、なんとCraig Tabornのキーボードが乗っかる。さらにKevin Eubanksのギターが参加ってんで驚きます。
メンツ見る前に演奏聴いているので、好感の眼差しにはなっていますが、Kevin Eubanksなんて、いつから名前を見てないんだ?演奏はいつから聴いてないんだ?(実は、リーダー作を買った記憶なし(自爆))というくらいノーチェックの存在でありまして、ここに起用されていることにも驚きますが、その演奏の格好良さにも驚いている次第であります。
これに感化されて、思わずリーダー作まで買い込んでしまっています(笑)
 "Messenger"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61657429.html)
きっと本編でも格好良い演奏を聴かせてくれていることでしょう。
Dave Holland(B)、Kevin Eubanks(G)、Craig Taborn(Key)、Eric Harland(Ds)

演奏曲はメンバーがほぼ同曲ずつ持ち寄ったかっこうになっており、明細は
Dave Holland(2,6)、Kevin Eubanks(1,5,8)、Craig Taborn(3,7)、Eric Harland(4,9)
となっています。
01. The Watcher
02. The Empty Chair
03. Spirals
04. Choir
05. The Color of Iris
06. A New Day
07. The True Meaning of Determination
08. Evolution
09. Breathe

1曲目、高速のドラムとベースに乗って、ちょっと歪んだギターが吠えるロックな雰囲気がオープニング。
2曲目、うって変わってスローな楽曲。Craig Tabornの弾くオルガンのバックトラックが気持ち良い。その上でベース、ギターととる泣きのソロが格好良い。
3曲目、変拍子基調の複雑な曲で、フリーに寄った演奏をも聴かせてくれる。これがまた聴き応えのある演奏でなかなか。
4曲目、リズミカルな16ビートと4ビートが交互に現れる曲。軽やかな曲調なんだけど、軽くない演奏。
5曲目、ギターが前面に出た5拍子の美旋律曲。この曲は全体に音数少なめの進行で、シンプルなサウンドが良いアクセントになっている。
6曲目、ちょっと複雑な進行を感じさせるが疾走感あるサウンドが気持ち良い。ギターが冴えわたる。
7曲目、単調でありながら変なクセのあるリズムの曲。途中リズムが多層化している箇所があったりしてCraig Tabornの変態性(笑)を良くあらわしているというか..
8曲目、一聴Jaco PastriusのThree Views of a Secretを彷彿とさせるイントロから、同じくJaco PastriusのElevenを感じさせるテーマ。後半は良い感じにアグレッシブで^^
9曲目、最後は生ピと、Bill Frisell調のギターによるバラードで締めくくり。

基本的にEric Harlandのドラムが強力ハードで、ガシガシと音を決めてくるところが清々しくも気持ち良い。
そこに、Dave Hollandのベースが乗っかるわけですが、これも格好良いフレーズ満載で、この2人が作り出す強力無比なリズムが、もうこれだけでお腹いっぱいと言いたいくらいに満足度高し。
ここに、Kevin Eubanksのちょっと歪んだサウンドと、Craig Tabornの独特なピアノキーボードが乗っかるわけですが、ちょっとワイルドな響きの格好良いフレーズ満載で、各人が各人の演奏を盛りたてるような演奏は、満足度がかなり高いものとなっています。

全体に、Eric Harlandのドラムで演奏のテンションが上がり、Kevin Eubanksのギターが雰囲気を作っているという感じで、この2者の活躍の目立つ作品という印象。

ベストは1曲目で良いと思います。最初のインパクトは強いです。


Dave Holland "Prism"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00DRGQZRG/)

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