John Escreet "Sabotage & Celebration"

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John Escreetのリーダー作は過去に2枚聴いていますが、たしかDavid Binneyとの鉄壁コンビに興味深いゲストが入ったアルバムと認識しています。
前々作の"The Age We Live In"では、Wayne Krantzを加えた個人的には食指出しまくりのメンツでのアルバムだったんですが..
と言う紹介文は以下の通り。
 "Exception To The Rule"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60971368.html)
 "The Age We Live In"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60783022.html)

メンツは、盟友David BinneyにChris Potterを加えた2管クインテットがメインとなり、そこにゲスト(ほぼ、7曲目に集中)とストリングス(1曲目が主)が入る構成となります。
John Escreet(P)、David Binney(As,Ss)、Chris Potter(Ts)、Matt Brewer(B)、Jim Black(Ds)
Adam Rogers(G:5,7)、Louis Cole(Vo:7)、Genevieve Artadi(Vo:7)、Nina Geiger(Vo:7)

演奏曲は全部で7曲ですが、すべてJohn Escreetのオリジナルとなります。
01 Axis of Hope
02 He Who Dares
03 Sabotage and Celebration
04 The Decapitator
05 Laura Angela
06 Animal Style
07 Beyond Your Wildest Dreams

1曲目がストリングスで奏でられる映画の冒頭で使われそうな雰囲気の曲。これはアルバムのイントロ以外の何物でもないでしょう。
そして、タイトなドラムに導かれ、メカニカルな主旋律を持った2曲目。両サックスのソロが前半後半に分かれて展開されますが、いずれも素晴らしいソロを繰り広げていてたまりません。
3曲目は、前半せーので演奏始める系全員フリー演奏で、後半は16ビートの格好良い演奏で締めくくられる。
4曲目は、ピアノ主導のフリー臭の濃い演奏だが、キラキラした印象が特徴的な前半から弾き倒しの後半が熱い。
5曲目、エレピを起用することで雰囲気を変えた曲。メカニカル度薄めの流麗な旋律が印象的。
6曲目も、2曲目に近い旋律が激しく上下に動くメカニカルな楽曲。ここでも2本のサックスが熱い。
7曲目は、ピアノの美旋律が印象的なスローな前半から、ビートの効いた後半に繋がるドラマチックな曲。

全曲ではないが、要所でストリングスの音をいれることで音の厚みを加えているところと、見事なフリーサウンドをがっつりいれていること、他の曲も毛色の違う曲が混ざり、散漫なほどにいろいろな要素の楽曲が入り混じっている印象。
ただ、David Binney、Chris Potterを筆頭に、各奏者がっつりとした力の漲った演奏を繰り広げ、曲の多彩さを越えて印象的に耳に残ってくるため、それほど散漫さが気になるようなことはありません。

この辺も、ジャズの最先端の一翼を担う演奏と言えると思うのですが、完全な亜流感でもないですが、あまり主流になりそうな感じでもない微妙な立ち位置の作品ということになるんでしょう。
ベストは5曲目にします。メカニカルだったりフリーだったりと多彩な楽曲の中では、個人的にしっくりくる曲でした。

John Escreet "Sabotage & Celebration"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00EACHH3W/)

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