Rusconi "Revolution"

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スイス人のピアノトリオで、以下の3人で、グループ名がついています。
この盤は、若手ジャズ評論家の柳樂さんに教えてもらったものですが、昨年(2013)の"東京ジャズ"の
無料ステージに出ていたようです。
ユニオンの解説(http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245578870)をみると、すでに8年の活動歴があるようですが、これまで全然引っかかってきませんでした。
amazonで検索かけると2004年の"Scenes & Sceneries"が最初で、この盤が5枚めということのようです。
あ、昨年来日時に作成したようですが、本人たちの日本語サイトがありました。http://www.rusconi-music.jp/

メンツは以下の通り。知らない人だらけとだらけとなります。4曲目でFred Frithというギタリストがゲスト参加しています。この人もよく知らない人(汗)
Fabian Gisler(B)、Claudio Struby(Ds)、Stefan Rusconi(P)
Fred Frith(G:4)

スタジオ部分は2011年バーゼル。ライブは2012年ベルリンでの録音。
演奏曲は、最後の2曲以外は3人の共作。その8,9曲目のクレジットはsonic youthでライブ収録となってます。
2010年に"It's a Sonic Life"というアルバムが出ていて、それがsonic youthの楽曲ばかりを演奏したものだったようです。
01 Berlin Blues
02 Massage the History Again
03 Milk
04 Alice in the Sky
05 Kaonashi
06 False Awakening
07 Tempelhof
08 Hits of Sunshine [Live in Bielefeld] [Live]
09 Theresa's Sound-World [Live in Duisburg] [Live]

冒頭、ピアノのパートとベースの入ったパートが交互に現れるのがテーマになっている。
これが数回繰り返された後、一定間隔で弾かれるピアノの打音がリズムで、その上でピアノとボイスの交歓がされるパート。そして、最後はゴリゴリのベース音のパートが入っておもむろに終了する1曲目。4分弱のなかに3つのパートを詰め込んだ展開の早い曲だが、なんだか惹かれる演奏。
すぐに2曲目にはいるが、これも一定間隔で弾かれるピアノの打音が通奏低音的になる中、テンポよりもスローな旋律のテーマと、その裏で聴こえる電子音のパートが頂点で、その後ベースソロテンポ上げた演奏が終盤(その後げフェードアウト)と、やっぱり展開ががらがらと変わる曲。
3曲目は、ベースがとるリズムが基調となる演奏で、これはあまり展開は変化しないが、それでも、終盤では一瞬リズムが変わって印象的なピアノソロが聴かれる。
4曲目では、ピアノトリオが奏でる単調なトラックの上でFred Frithのギターがノイジーだったりスペイシーだったりするサウンドを入れる、ちょっと幻想的な感じの曲。

全体に、乾系のドラム(特にスネア)の音と、ゴリゴリでバキバキなベースサウンドが特徴的で、そこに、ボイスやその他電子音エフェクト音を盛り込んで全体の音楽を形成している。
ピアノ音が一番目立ちはするが単調な演奏が多い印象で、このトリオの主役って感じではない。

ということで、各人のソロを含めた演奏が聴きどころというよりは、1曲の中で行われる曲調の変化がドラマチックな展開を生み出すところが特徴であり聴きどころであるということなんでしょう。
こういうところが、ロック的と聴こえる所以ではないかと..。

国内の紹介文を見ると、"E.S.T.", "The Bud Plus"を引き合いに出したものがありますが、彼らのほうが演奏への傾倒度合いが高い(ジャズ者が聴いてて聴き応えを感じる)と認識しておりまして、ジャズのフォーマットを借りたロック的な演奏という趣向をより推し進めたユニットと言うことなんだと思います。ていうか、逆かもしれないですね。ジャズのフォーマットを借りたロック的な演奏と言ったほうがあってるかもしれません。
演奏は、格好良いです。


ベストは、でもドラマチック濃度高めの2曲目でしょうかねぇ。いろんな意味で真骨頂はここにありそうな気がします。


Rusconi "Revolution"(http://www.amazon.co.jp/dp/B009MCH05A/)

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