Brad Mehldau "Mehliana: Taming the Dragon"

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Brad Mehldauの新作は、ドラムのMark Guilianaと組んだ、エレクトリック作です。
リリースのずいぶん前からyoutubeでライブ映像が出ていたようですが、アルバムを待っていたかったので、事前には見ていません。

メンツは、アルバムタイトル通りに下記2人だけとなります。Brad Mehldauは言わずもがなですが、Mark Guilianaは自blogを検索するとAvishai Cohen盤から6枚見つかりました。最近作は下記。
 Sam Crowe "Towards The Centre Of Everything"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62397107.html)

Brad Mehldau(Key)、Mark Guiliana(Ds)

Brad Mehldauの曲が6曲、2人の共作が6曲という内訳です。
01 Taming the Dragon
02 Luxe
03 You Can't Go Back Now
04 The Dreamer
05 Elegy for Amelia E.
06 Sleeping Giant
07 Hungry Ghost
08 Gainsbourg
09 Just Call Me Nige
10 Sassyassed Sassafrass
11 Swimming
12 London Gloaming

1曲目は、演説?のようなボイスがほとんどで、前半で1回と後半1/4に強リズムの演奏が挟み込まれる。
このロック調ドラムが迫力があって気持ち良い演奏。

3曲目が、ガーンズーンと響く低音を根底において、その上にアコピエレピのリフが散りばめられ、それをタイトなドラムがまとめあげているような演奏。これ格好良いです。
8曲目はタイトルがSerge Gainsbourgですね。イントロのフレーズから強めでゴージャスなリズムが延々続く上にのっかるボイスがいかにもなSerge Gainsbourgの雰囲気を出してて笑えます。
往時のフレンチポップらしさをしっかりと彷彿とさせる演奏です。

と言う感じで、ロックなフレーズを持ったハードな演奏が続き、Brad Mehldauはほとんどがシンセかオルガンを演奏し、Mark Guilianaが叩き出す強めでタイトなドラムを背景に、時にスペイシーに、時にミステリアスに、時にポップに、時にハードにと表情豊かな演奏を繰り広げます。

3曲目、5曲目とか8曲目のボイスの入れ方とかとかどことなくTZB(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61623128.html)を彷彿とさせるところが、不思議な因果を感じると言うかなんというか..。

と、ここで映像も見てみたんですが2人が相対(アコピでは後ろ向きになるが)して相互の音を確認しながらの演奏は思ったよりもスリリングな雰囲気を醸していて見応えあります。

Brad Mehldauはトリオでの演奏と、このような実験的な演奏とを並行して行っておりまして、トリオのほうが地に足がついたような盤石な演奏をコンスタントにしっかりと聴かせてくれていてこっちは安心感の音楽と言うことになるんでしょう。
そして実験作のほうは、毎回、賛否出てきて大いに話題になっていますが、ジャズが停滞している時代に、少しでも先に進めようと言う姿勢の表れと解釈しております。
ということで、巷ではこの盤をロックの扱いにされている方が多いのですが、個人的には映像で垣間見れるインタープレイを拠り所にジャズとして聴きたい作品であると言ってしまいましょう。

ベストは3曲目、これが一番格好良かったです。個人的には8曲目の雰囲気も好きなんですが..

Brad Mehldau "Mehliana: Taming the Dragon"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00GULA0TY/)

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