Sam Harris "Interludes"
ということで、かなり久々のFSNT盤の購入になります。
メンツは以下の通りなんですが、FSNTなんで多分皆若手のミュージシャンなんだとは思いますが誰も知ってる人いません。
Sam Harris(p,synthesizer), Ben Van Gelder(as,bcl), Roman Filiu(as,fl), Craig Weinrib(ds)
Martin Nevin(b:1-6,9-11,13,14), Ross Gallagher(b:2,4,6,8,9,13)
演奏曲は下記の14曲。すべてSam Harrisのオリジナルです。Prelude、Interludeといれていることから、アルバム全体で何かを表現するような意識を持っているのかもしれません。
演奏時間も全体に短めで、最長が最後の曲の6分台。1分台の演奏も3曲含まれます。
1. Prelude: Drone
2. Incantation
3. Ataraxia
4. Calls
5. Louis Wain
6. Interlude: Incidental Music
7. Manul at Rest
8. Spells
9. Manul at Sea
10. Chthonos
11. The Hermit Darger
12. No Hay Banda
13. Manul in Space
14. Postlude
おおざっぱにいって、数多の現代NYジャズのアルバムに入っている静謐な演奏を集めたような印象と言う感じのアルバム。
リズムの取り方とかクラシックの雰囲気を感じる部分、間の取り方とか現代音楽を彷彿とさせる部分、効果音的に入れられたサウンドにアフリカな雰囲気を感じる部分と、いろいろな要素を取り入れている感じはあります。
8曲目が大胆にパイプオルガンぽい持続音の重奏を前面に出した演奏、10曲目はいかにもJohn Coltraneな(afro blueとか?)テーマの曲、11曲目はin a sentimental moodのイントロのフレーズを取り入れた演奏..
全体にマイナー調のゆったりしたテンポの曲が多く、演奏もスピリチュアルな雰囲気を多く含んだものという印象。
ただし、奏者相互の有機的絡み合いに楽しさを求めるいわゆるジャズ的な側面というよりは、構築美重視と言うか、アレンジ重視の全体のバランスがしっかり考えられた演奏ではあります。
Sam Harrisのピアノは、Rudy Royston盤で聴かれたような大胆にアウトするような演奏は希薄めで、全体のバランスをとった中でのまっとうな演奏が多めでしょうか。ここぞというとき期待感を感じた演奏も聴かせてくれていますが、そう言う意味では期待はずれな部分も..。
全体に地味な演奏が多いのでとっつきはあまり良くないんですが、とはいえ、聴き込んでいくうちにこの演奏の雰囲気にかなり引き込まれてきてまして、引き込まれて聴いているとその魅力というか聴きどころが多くあることを体感してきまして、当初の予想以上に楽しめたアルバムではありました。
曲によって良い演奏はいくつかあるんですが、全体の雰囲気からはズレるのかなぁ。
でも、10曲目をベストにしておきます。
Sam Harris "Interludes"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00HUCG2QC/)
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