Sam Yahel "In the Blink of an Eye"
Naxos Jazzレーベルが店頭に新譜として並んでいた頃、お店では大量の作品を見てましたが、当時無名の人の新譜には食指が動かず、全然(たぶん、1枚も)買っていません。
が、ここにきて中古で売ってるのを見かけると、今の目で見ると良いメンツが揃っていたりと、実は侮れない(盤のある)レーベルだったと今更ながらに、感じ入ってる次第であります。
というメンツは以下の通り。これはかなり良いメンツの部類になるとは思います。 1999年4月にNYで録音された音源です。
Sam Yahel(Org)、Peter Bernstein(G)、Brian Blade(Ds)、Kahlil Kwame Bell(Per:1,6)
演奏曲は以下の通りの8曲。Freddie Hubbard,McCoy Tynerから始まり、Peter Berstein,Sam Yahelのオリジナル
にスタンダードなどを加えた布陣です。
1 Little Sunflower
2 Inception
3 Spring Is Here
4 In The Blink Of An Eye
5 Just A Thought
6 So Long
7 I Believe In You
8 Like Someone In Love
冒頭、ギター、コンガ、オルガンが前面に出た60年代後半のBlueNoteを彷彿とさせる演奏。
このあと、コンガ入りは1曲だけなのでコテコテ系の演奏は少ないことになりますが、そこはBrian Bladeがドラムなので、そっちのほうが聴きたい度は高いですね^^
そのコンガ抜きの演奏ですが、オルガンの演奏と言うとえてして必要以上の音数で、無音部分皆無でやかましさが出ることも多々あるが、ここでの演奏は熱気を抑えめにしてほどよく音数を減らして空間を作ることで、ジャジーな雰囲気を残しつつこってり度少なめの端正な演奏を聴かせてくれています。
すっきりと聴かせるオルガンジャズってのは、こってりと濃いのが好きだとちょっと物足りないと感じる部分もあるとは思いますが、とはいえ温度感的には最近のNYジャズに近いところがあるとも言えるわけで..
Peter Bernsteinが最近の彼のスタイルに近い感じの演奏が好感触。
最近、Peter Bernsteinのギターに反応する度合いが増えていると言うか、良いなぁと思うことが多くなってます。
とりたてて目立つ演奏をするタイプでもないごく正統的なギターを弾くんですが、なんか惹かれるものがあります。
つまるところ、Sam Yahelのオルガンがすっきり感強めの演奏ということになるんですが、低音のうねるようなサウンドをアクセントにしているんですが、これが実は結構ソソられてまして..
こういうところに、センスの良さというか上手さを感じさせてるってのはあると思います。
ここでのBrian Bladeはあまり派手な演奏はしかけておらず、渋めの煽りという印象ですかねぇ。格好良いですけど。
正直なところ、全体にあっさりしすぎという感もなきにしもあらずではありますが、Peter Bernsteinの演奏にはこれくらいの濃さが良い塩梅だと思います。
ベストは、ハイテンポの2曲目にします。
Sam Yahel "In the Blink of an Eye"(http://www.naxos.com/catalogue/item.asp?item_code=86043-2)
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