Johnathan Blake "Gone But Not Forgotten"

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Johnathan Blakeのたぶん2枚目のリーダー作です。1枚目は2012年リリースの下記。
 "Eleventh Hour"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61208817.html)
この前作は、Mark Turnerが入った2管のクインテットにRobert Glasperらゲストが入ったものでした。
本作は、泣く子も黙る強力無比の2テナー(Mark Turner、Chris Potter)を従えたピアノレスカルテットという構成。
ほぼ同時期にリリースされた、Joshua Redmanがトリオでピアノレスだったので、最近の流れはピアノレスか?とか思ってみたり..。 ちょっと前はギター入りだったんですけどね^^

かくいうメンツは以下の通り。
Johnathan Blake(Ds)、Mark Turner(Ts)、Chris Potter(Ts)、Ben Street(B)

演奏曲は、オリジナルが2曲にEddie Harris, Cider walton, Jim Hall, Paul Motian等々多くの人の曲を取り上げていますが、これは近年亡くなった方達で、彼らの追悼アルバムと言う意味あいもあるんだそうです。へぇ

01. Cryin' Blues
02. Firm Roots
03. Maracas Beach
04. All Across the City
05. Broski
06. Born Yesterday
07. Circle Dance
08. New Wheels
09. Anysha
10. Shadower
11. Two for the Blues

Johnathan BlakeとBen Streetが作り出す重厚なリズムのうえで、Mark TurnerとChris Potterが、ときに共闘して聴衆?を煽りに煽るような演奏を繰り広げ、ときに阿吽のと言いたい絶妙なアンサンブルを聴かせ、ときに双方が双方を威嚇するかのバリバリのブローを響かせと、縦横無尽、変幻自在な2人のサックスを充分にたっぷりと堪能させてもらえます。
普段の両者の演奏スタイルからすると、Mark Turnerはクール系で、Chris Potterは熱血系と乱暴には言えると思いますが、本作では両者がいくぶん歩み寄っているのか、Mark Turnerの演奏に熱気が出ているだけなのか、両者の温度差が大きくあるような感じはしていないです。バトルを強く意識したか?
ちなみに、右がMark Turnerで、左がChris Potterのはずです。

基本コンセプトとして、中堅テナーの重鎮2人の演奏を存分に楽しんでもらうことに主眼を置いていることは自明であり、2人のために空間を大きく開けることを一義に考えての、ユニット編成と曲選びと演奏スタイル選びをしているであろうことも、容易に想像がつくところ。
ということで、テクニカルなギミックとか、周到なアレンジとか、変拍子の難曲が・・とかそいういう演奏にはあまりなっていない。これを吉ととるか凶ととるかで評価が分かれるのかなぁ...。
スタイルで聴くとちょっと単調に感じる部分があるか..。本来的には、2テナーの演奏をがっつり聴くべき盤で、そのとおりに演奏をがっつり聴いたなら、その満足度はかなり高いものになるとは思います。

べストは、・・どの曲もなかなか良い感じで甲乙つけがたいですが、2曲目とか骨太で良い演奏を楽しめると思います。


Johnathan Blake "Gone But Not Forgotten"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00IZ7ZEC4/)

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