山下洋輔 "ボレロ/展覧会の絵"
山下洋輔さんのアルバムをリリースと同時に買うなんて初めてだと思うんですが、この盤とこのあとにリリースされるスガダイローさんとのデュオは立て続けに思わずポチッとしてしまいました。
2012年7月にサントリーホールで行われた公演のライブ収録です。
メンツは以下の通り。しっかり眺めると、そうそうたる面々が揃っていることが判ると思います。
ゲストの茂木大輔さんは、WEBで調べるととてもいろいろな活動をされているようですが、N響首席オーボエ奏者なんだそうです。
山下洋輔スペシャル・ビッグバンド:
松本治(Cond)、山下洋輔(P)、金子健(B)、高橋信之介(Ds)
エリック宮城(Tp)、佐々木史郎(Tp)、木幡光邦(Tp)、高瀬龍一(Tp)
中川英二郎(Ttb)、片岡雄三(Tb)、山城純子(Btb)
澤田一範(As,Ss)、米田裕也(As,Ss,Cl)、川嶋哲郎(Ts,Fl)、竹野昌邦(Ts,Fl,Picc)、小池修(Bs)
ゲスト:茂木大輔(Ob)
選曲は、ラヴェル繋がりらしく、「展覧会の絵」もラヴェル編曲、ボレロはラヴェルの有名曲ってことです。
01. 組曲《展覧会の絵》
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15.
16. ボレロ
展覧会の絵は、主旋律を荘厳たる雰囲気をたっぷりと湛えて演奏するパートと、ジャズに思い切り振った演奏が交互に現れるような展開。
結構ギャップのある演奏なんですが、このギャップがある種の面白さにも繋がっているのも事実でしょう。
ジャズパートの演奏が、正直山下洋輔らしくはない流暢な部分が多く、きっちりと作り込まれた感のあるアンサンブルがちょっと優等生的過ぎるきらいはあるが、なかなか聴き応えがある。
これ聴いてて、展覧会の絵の全曲って聴いたことないなぁと、ふと思い出してしまった。
後半、徐々に荘厳なクラシックパートに、きっちりしたジャズパートが、双方徐々に崩れ出し融合されてきて、全体の勢いが増してきて、山下さんも徐々に本領を発揮してきて、フリー濃度が増して、大団円がこれまた大仰で大仰で..(笑)
ボレロは、宣伝文句に「筒井康隆氏から「脱臼したボレロ」と絶賛された力作」なんて書かれていますが、ボレロのあのフレーズをきっちり演奏する部分と、それをモチーフに崩し気味のフレーズとが入り乱れた演奏になっていて、ボレロ本来の同じフレーズを楽器編成を変えて雰囲気を徐々に変化させていく面白さは、正直言ってスポイルされている部分も大きいかなと思ってます。ただ、そのまま演ったらジャズになんか(決して)ならないんですが..
ということで、お決まりのフレーズ崩したことを称して"脱臼した"と言っているのと、"ボレロ"本来も面白さをスポイルしたことに対して"脱臼した"と言っている部分とあるのかなぁと思ってるんですが、それだけ、ボレロの"あの"フレーズが完成しきっているということでもあるのですが、後者は確信犯的な部分になるので、前者をもって"脱臼"なんでしょう。
全体的に、ビッグバンド部分が予想以上にきっちりしているのがちょっと...とか、思いつつ聴いているのですが..。
"きっちり"と言うには、しっかり崩した(崩れた)演奏しているんですが、"渋さ知らズ"的な粗さ、荒さを持った崩し方ではなく、もっと優等生的な崩し方で、まじめだなぁと感じてしまうというか...。
もっとも、山下さんの山下フレーズ(は、粗く荒いと思うので、それ)を際立たせるためには、残りのサウンドがきっちりしているに越したことはないので、そう言うギャップ的効果を狙っている部分もあるんだろうなとも思っています。
でも、後半の盛り上がりはかなり面白いと思う。山下さんもガッツリ鍵盤叩きまくってます。
なんて考えつつ聴いていたら、"渋さ知らズ"のノーアレンジのボレロを聴いてみたくなった(笑)
アレンジでの技巧一切なし。各人の超個性的な音色だけで面白い演奏になると思う。
とはいえ、この盤を紹介するならボレロを聴いてもらうしかないと思います。
山下洋輔 "ボレロ/展覧会の絵"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00JZPWYAU/)
2012年7月にサントリーホールで行われた公演のライブ収録です。
メンツは以下の通り。しっかり眺めると、そうそうたる面々が揃っていることが判ると思います。
ゲストの茂木大輔さんは、WEBで調べるととてもいろいろな活動をされているようですが、N響首席オーボエ奏者なんだそうです。
山下洋輔スペシャル・ビッグバンド:
松本治(Cond)、山下洋輔(P)、金子健(B)、高橋信之介(Ds)
エリック宮城(Tp)、佐々木史郎(Tp)、木幡光邦(Tp)、高瀬龍一(Tp)
中川英二郎(Ttb)、片岡雄三(Tb)、山城純子(Btb)
澤田一範(As,Ss)、米田裕也(As,Ss,Cl)、川嶋哲郎(Ts,Fl)、竹野昌邦(Ts,Fl,Picc)、小池修(Bs)
ゲスト:茂木大輔(Ob)
選曲は、ラヴェル繋がりらしく、「展覧会の絵」もラヴェル編曲、ボレロはラヴェルの有名曲ってことです。
01. 組曲《展覧会の絵》
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15.
16. ボレロ
展覧会の絵は、主旋律を荘厳たる雰囲気をたっぷりと湛えて演奏するパートと、ジャズに思い切り振った演奏が交互に現れるような展開。
結構ギャップのある演奏なんですが、このギャップがある種の面白さにも繋がっているのも事実でしょう。
ジャズパートの演奏が、正直山下洋輔らしくはない流暢な部分が多く、きっちりと作り込まれた感のあるアンサンブルがちょっと優等生的過ぎるきらいはあるが、なかなか聴き応えがある。
これ聴いてて、展覧会の絵の全曲って聴いたことないなぁと、ふと思い出してしまった。
後半、徐々に荘厳なクラシックパートに、きっちりしたジャズパートが、双方徐々に崩れ出し融合されてきて、全体の勢いが増してきて、山下さんも徐々に本領を発揮してきて、フリー濃度が増して、大団円がこれまた大仰で大仰で..(笑)
ボレロは、宣伝文句に「筒井康隆氏から「脱臼したボレロ」と絶賛された力作」なんて書かれていますが、ボレロのあのフレーズをきっちり演奏する部分と、それをモチーフに崩し気味のフレーズとが入り乱れた演奏になっていて、ボレロ本来の同じフレーズを楽器編成を変えて雰囲気を徐々に変化させていく面白さは、正直言ってスポイルされている部分も大きいかなと思ってます。ただ、そのまま演ったらジャズになんか(決して)ならないんですが..
ということで、お決まりのフレーズ崩したことを称して"脱臼した"と言っているのと、"ボレロ"本来も面白さをスポイルしたことに対して"脱臼した"と言っている部分とあるのかなぁと思ってるんですが、それだけ、ボレロの"あの"フレーズが完成しきっているということでもあるのですが、後者は確信犯的な部分になるので、前者をもって"脱臼"なんでしょう。
全体的に、ビッグバンド部分が予想以上にきっちりしているのがちょっと...とか、思いつつ聴いているのですが..。
"きっちり"と言うには、しっかり崩した(崩れた)演奏しているんですが、"渋さ知らズ"的な粗さ、荒さを持った崩し方ではなく、もっと優等生的な崩し方で、まじめだなぁと感じてしまうというか...。
もっとも、山下さんの山下フレーズ(は、粗く荒いと思うので、それ)を際立たせるためには、残りのサウンドがきっちりしているに越したことはないので、そう言うギャップ的効果を狙っている部分もあるんだろうなとも思っています。
でも、後半の盛り上がりはかなり面白いと思う。山下さんもガッツリ鍵盤叩きまくってます。
なんて考えつつ聴いていたら、"渋さ知らズ"のノーアレンジのボレロを聴いてみたくなった(笑)
アレンジでの技巧一切なし。各人の超個性的な音色だけで面白い演奏になると思う。
とはいえ、この盤を紹介するならボレロを聴いてもらうしかないと思います。
山下洋輔 "ボレロ/展覧会の絵"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00JZPWYAU/)
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