David Binney "Anacapa"

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criss crossからの6月リリース分の1枚です。
David Binneyのcriss cross作品は2枚聴いています。いずれも、王道ジャズというには。。という演奏が多く、一筋縄ではいかないイメージがありました。
なんで、より厳選買いをしている中では本作は買わなくても..と思っていたんですが..。

criss crossの2枚
 "Aliso"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59342843.html)
 "Barefooted Town"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60698751.html)
別レーベルの1枚。メンツが凄い。
 "Graylen Epicenter"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61101524.html)

メンツは、相変わらずちょっと気になる面々を揃えています。
ギタリストはWayne Krantz、Adam Rogersの2人。他のメンツも中堅の良いところを揃えています。
David Binney(As,Ss)、John Escreet(P,Rhodes)、Matt Brewer(B)、Obed Calvaire(Ds)、Dan Weiss(Ds)、Wayne Krantz(G)、Adam Rogers(G)

演奏曲は、下記10曲。すべてDavid Binneyのオリジナルです。
1. She Loves, Introduction
2. The Golden Zone
3. Massive Humanity
4. Distant City
5. Anacapa
6. Waiting For The Blast
7. Imagination Sets Us Free
8. Heart Shaped Mind
9. Santo Spirito
10. She Hates, Outro

冒頭から電子音に導かれて、少しエフェクトのかかった?アルトが単調な音を繰り返す2分弱の曲。
タイトル上イントロとはなっているが、かなり異色感を感じさせる。
もう、ここで一筋縄ではいかないアルバムだとを感じさせる。criss crossらしくないサウンド。
2曲目は少しスローめ、3曲目がアップテンポのロック調、4曲目はちょっとプログレ感ある、途中でコーラスの入る曲。5曲目がタイトル曲だが過去に聴いたことあるような?6曲目が少しダークで神秘的な曲調。7曲目はフュージョン色の感じられる曲調から徐々に壊れていく(笑)大作。8曲目の冒頭は?だが、中盤以降一番ジャズっぽい演奏。9曲目もロック調、ツインドラムが効いてる曲。後半のギターソロと相まって格好良い演奏に仕上がっている。
と書いてみたが、全体を通して通奏低音的にファンクな雰囲気が流れていることも書いておく必要ありますね。

それぞれの曲が、いろいろと変化(曲調、変拍子、音作り、アレンジ等々)を持たせた演奏で、2ドラム、2ギターの重厚なサウンドを有効に活用した、いろいろな意味で面白い演奏が並んでいます。

David Binneyのソロこそ、ジャジーに響きますが、全体としてはこれまでのアルバムよりも"かっこ付きのジャズ"度は希薄になっている印象。その分一聴の判りやすさは増していると言えましょう。
とはいえ、凝った作りなのでしっかり聴いていると、引き込まれる部分は多々ありますです。


5曲目でのたっぷりとられたDavid Binneyのソロとか、ジャズな雰囲気を残している部分もありますが、基本はジャズ濃度低めのファンクなアルバムってことで良いと思います。
でも、これまでのDavid Binneyのアルバムのなかでは、個人的にはとっつきよくて好きなアルバムです。

ベストはタイトル曲で良いと思います。いろいろてんこ盛りで、スローめでありながら良い感じに盛り上がる。


David Binney "Anacapa"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00IZ7ZC0S/)

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