Avishai Cohen "Dark Nights"

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先日、ライブに行ってきたトランペットのほうのAvishai Cohenの新作です。
ここのところ、Omer Avital、Nasheet Waitsとのトリオを中心とした活動が続いており、前作が2012年の"Triveni II"、その前が2010年の"Triveni"と、同じ3人でのアルバムでした。
 "Triveni II"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61640736.html)
 "Triveni"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59969144.html)

2年毎の良いインターバルでの新作となります。
今作ではゲストを3人迎えて、3人だけ以外で演奏している曲が少しだけ入ります。

メンツは以下の通り、3曲でゲストが入ることになります。
Avishai Cohen(Tp)、Omer Avital(B)、Nasheet Waits(Ds)
Anat Cohen(Cl:3,9)、Gerald Clayton(P:9,10)、Keren Ann(Vo:10)

演奏曲は10曲で、オリジナルが6曲、charles mingus1曲、frank foster1曲、billy strayhorn1曲、スタンダード1曲という内訳。
01. Dark Nights, Darker Days
02. You In All Directions
03. Betray
04. Pablo
05. Goodbye Pork Pie Hat
06. The OC
07. Shiny Stockings
08. Lush Life
09. Old Soul
10. I Fall In Love Too Easily

宣伝文読むと、録音は1日で1曲あたり3テイク以上は録音せず。オリジナルは初見で特に指示なく演奏をしたとか、即興性を重視した演奏をしているってことなんでしょう。

だからというわけでもないんでしょうけど、大方の曲はテンポ遅めのシリアスな雰囲気を色濃く感じる演奏で各人が各人の出方を確認しながら、音の行方を探っていくような演奏になってます。
勢いで突っ走るようなタイプの演奏ではありませんが、とってもスリリングな演奏に仕上がっています。
ゲストが入る曲でも大筋では同様の傾向で、楽器(演奏者)が増えることによる
3曲目はAnat Cohenのクラリネットとの掛け合いの面白さが付加されているってことでしょう。
9曲目はさらに薄くエレピのバッキングが付加された演奏。
10曲目はボーカルが入って、これだけは雰囲気がずいぶんと変わりますが、chet bakerへのオマージュと言われれば大いに納得する内容でした。

6曲目がいかにもOrnette colemanで面白い。Gil Evansで刷り込まれてる5曲目のGoodbye Pork Pie Hatはしっとりと歌い上げるような演奏。
7曲目のShiny Stockingsは、軽妙にテーマを奏でた後、そのままの雰囲気で軽やかな仕上げの演奏。
続く8曲目のLush Lifeは原曲に忠実なテーマを演奏するバラードの王道的な演奏。

もっとも、Avishai Cohenのトリオ作は"The Trumpet Player"から、自身から湧き出るフレーズをどんどん開陳していくようなスタイルで、それには充分のっかった緊張感がありながらそのフレーズに魅了されるような演奏は個人的には、かなり聴き応えのある演奏になってます。

ベストは7曲目ですかねぇ。安心して聴けるって部分が大きい選曲ですが..

Avishai Cohen "Dark Nights"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00L25UG8I/)

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