Stefano Bollani "Joy In Spite Of Everything"
以前もどっか(ここだ http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62702978.html)に書きましたが、ECMレーベルではここのところ、巷で知名度があがった中堅くらいの演奏家を起用したアルバムを多く作ってきています。
もちろん、Manfred Eicherのおめがねにかなっていることが前提でしょうが。
Wolfgang Muthspiel, Paul Bley, Vijay Iyer, Billy Hart, Tord Gustavsen, Aaron Parks, Tim Berne, Ralph Alessi, Chris Potter, と、ざっと書き出しても、よくぞこれだけ集めてきたもんだと思わせるものがあります。
予想では、今後彼らの大半はECMでの2作目は無いだろうと予測しているのですが。。
本作も、同様の流れの中でのECMリーダー作ってことだと思ってはいますが、Stefano BollaniのECMでのリーダー作は、すでに3~4作目のようですね。
メンツが豪華で、Mark Turner、Bill Frisellをフロントに据えた5人編成での演奏です。
Mark Turner(Ts)、Bill Frisell(G)、Stefano Bollani(P)、Jesper Bodilsen(B)、Morten Lund(Ds)
演奏曲は、すべてStefano Bollaniのオリジナルで良いようです。
01. Easy Healing
02. No Pope No Party
03. Alobar e Kudra
04. Las Hortensias
05. Vale
06. Teddy
07. Ismene
08. Tales From The Time Loop
09. Joy In Spite Of Everything
曲としては、Stefano Bollaniの信頼度が高く、曲や全体の雰囲気に対しての制約が低いのか、1曲目から最近のECMとしてはポップなカリプソな香りがする曲でスタート。
2曲目以降も、あまりECM臭が強くない曲が多い印象。
もっとも、個人的にECMレーベルの諸作はいろいろ聴いているわけでもない(さらに、Stefano Bollaniもほとんど聴いていない)ので、偏向した印象というのもありそうなんで、あまり参考にしないほうが良いですが..
Marc Turnerの端正なサックスの音色が多少ならずとも漂うECM臭には、合っているんだろうことは聴けば判りますし、このサウンドバランスをManfred Eicherが好んでいそうなことも、なんとなく想像つくところであります。
そこに、Bill Frisellのあの独特のサウンド(音色でなくフレーズ)が見事にマッチしてまして、これは不思議に良い感じのサウンドを形成しています。
Stefano Bollaniのピアノが浮遊感を醸す部分があるのもBill Frisellとの相性の良さというか、二人の演奏が綺麗に溶け合う要因になって入ると思います。
逆に2曲目はBill Frisellがあまりらしくない演奏をしていて、そこが逆の面白さに通じている感じします。
ということで、ベストは2曲目でいこうと思います。
Stefano Bollani "Joy In Spite Of Everything"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00LG92FWA/)
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