Jason Moran "All Rise"

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Jason Moranの新作は、現BlueNoteレーベルの総帥Don Wasと、Meshell Ndegeocelloの共同プロデュースという強力な体制でのFats Wallerをフィーチャした、多分レーベルとしても相当力の入った作品です。
さすがにリリースの前後に、いろいろ話題になってまして、確かちょっと遅れての購入だったのですが、購入しないわけにはいかない雰囲気になってましたw

メンツは、ピアノトリオを基本として、そこに管楽器、ボーカルが必要に応じて入ってくるような形態。
でも、さすがになかなかな人材を揃えた布陣になってます。
Jason Moran(P)、Tarus Mateen(B)、Nasheet Waits(Ds)
Charles Haynes(Ds)、Leron Thomas(Tp)、Josh Roseman(Tb)、Steve Lehman(Sax)
Me'shell Ndegeocello(Vo)、Lisa E. Harris (Vo)
Bob Power(Mix)

演奏曲は、Fats Wallerのものが大半を占め、Jason Moranの曲が1曲め9曲めの2つ。
Fats Wallerがクレジットにない曲も、おそらく当時Fats Wallerが演奏していた曲なんでしょう。全部で12曲の収録です。

01. Put Your Hands On It
02. Ain't Misbehavin'
03. Yacht Club Swing
04. Lulu's Back In Town
05. Two Sleepy People
06. The Joint Is Jumpin'
07. Honeysuckle Rose
08. Ain't Nobody's Business
09. Fats Elegy
10. Handful Of Keys
11. Jitterbug Waltz
12. Sheik Of Araby / I Found a New Baby

演奏曲の大半が、Fats Wallerの作なので、曲の親しみやすさはまるで問題なしというレベル。
とても気持ち良くスウィングできるような曲調で溢れています。
それを最近の演奏スタイルで再現しているところが面白さの一端なんでしょう。
使用している楽器も、管楽器、生ピとともに普通に電子音も入り込んできているい、演奏に違和感を感じることはありません。
逆に新しい楽器のサウンドがある方が違和感なく聴けるくらい。
後半にほぼ生ピで電子楽器なしの演奏が登場するが、こっちが古いスタイルを再現した懐古的な演奏に聴こえてくる。
2曲めで女性ボーカルが入り、5曲めで男性ボーカルが入るが、バックの演奏は新しいサウンドでそう大差ないのに男性ボーカルのほうが古いスタイルを想起させるのはどういうことなのか?
以降も、ボーカルは多めに起用されるが女性ボーカルなので安心して?聴いていられますw
でも、このボーカル多めに構成されているというのは最近のRobert Glasperなスタイルを意識している部分ってのもあるのかもしれません。
9曲め、10曲めとほぼピアノソロの演奏がはいるがここが古いスタイルの再現に聞こえるところ。

Jason Moranのピアノこそあちこちで、良い即興を聴かせてくれているが、全般的には良く作り込まれたアレンジ主体のアルバムと言えるでしょう。
とっても楽しめました。

ベストは3曲めの、ノリの良いヤツでしょう。


Jason Moran "All Rise"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00MHS56NO/)

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