Otis Brown III "Thought of You"

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Otis Brown IIIのデビュー作になると思いますが、メンツが豪華なので思わず買ってしまいました。
そのメンツは以下の通り。
John Ellisは、2012年にcrisscrossからリーダー作"It's You I Like"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61410674.html)をリリース。
その後Kendrick Scott盤、Helen Sung盤で聴いてます。
Keyon Harroldは、2009年に同じくcrisscrossからリーダー作"Introducing"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58725990.html)を出していて、その前はMarcus Stricklandのアルバムでブリブリの演奏を聴いている人。
Nir Felderは、今年リーダー作"Golden Age"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62485099.html)を出したばかり。その後、Rudy Royston盤、Eric Harland盤で聴いています。
Robert Glasperは、言わずもかなのNew Chaperな時の人。
Ben Williamsは、PMUG(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62865729.html)で先頃来日してました。
Derrick Hodgeは、昨年リーダー作"Live Today"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62337503.html)が出ています。
Grethen Parlatoも、ボーカルでは最近話題の1人。昨年のライブ盤は結構話題になってました。"Live in NYC"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62268066.html)と、若手でイキの良い面々を取り揃えた意欲的な作品と言えるでしょう。BluNoteレーベルが力を入れていることがヒシヒシと感じられます。
そしてリーダーの、Otis Brown IIIは、Joel Frahmの"Live At Smalls"( http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60985610.html)、Esperanza Spaldingの"Esperanza"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59631520.html)、Baptiste Trotignonの"Share"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a57321057.html)で聴いています。

John Ellis(Ts, Bcl)、Keyon Harrold(Tp)、Shedrick Michell(HammondB3)、Nir Felder(G)、Robert Glasper(P)、Ben Williams(B)、Otis Brown III(Ds)、Derrick Hodge(Per)
Bilal Oliver(Vo:2,9)、Grethen Parlato(Vo:6)、Nikki Ross(Vo:8, 10)

演奏曲は、Otis Brown IIIが2曲、Otis Brown IIとRobert Glasperの共作が3曲、Bilal Oliverが3曲("The Thought of You Part I~III)、その他3曲で全部で11曲という布陣。
01. The Way (Truth & Life)
02. The Thought of You - Part I
03. Interlude I - Truth
04. Stages of Thought
05. The Two Become One (For Paula)
06. You’re Still The One
07. The Thought of You - Part II
08. I Love You Lord/We Exalt Thee/In The Beginning
09. The Thought of You - Part III
10. I Am Your Song
11. Interlude II - Life

共作の1曲目は、ベースが織りなすリズムパターンと、ピアノの単調フレーズで作るリズムと、ドラムが叩きだすリズムパターンの異なる三つのリズムが三位一体となった中で、2管がテーマを奏でる、ちょっと複雑でありながら格好良く仕上がった曲。
同じく共作の3曲目、11曲目はInterludeで短い演奏で、ピアノの単調フレーズで威勢良く暴れるドラムを聴かせる、いわゆるRobert Glasperスタイルの演奏。
Bilal Oliver作の同名Part1-3の演奏は高速4ビートを基調としたもので、2管、ピアノのソロがガッツリ楽しめる演奏。
ボーカルが入ったり、部分的に多少エフェクトがされてる部分もあるが、良いアクセントといった程度で気にならない。
Otis Brown IIIの2曲は、ミステリアスな雰囲気を醸した4曲目、ちょっと牧歌的な府に気を醸す5曲目となるが、いずれも雰囲気はかなり違うが、Ben Williamsが延々と刻むリズムの上で他の楽器が暴れるという構図的には似ていて、この作りは最近(日本も含め)ちょっと流行りのよう。
6曲目でGrethen Parlatoが雰囲気たっぷりなボーカルを聞かせてくれていますが、これもこの盤の聴きどころの1つと言えるでしょう。

Robert Glasper関連の人が多く参加している割にはRobert Glasper臭はそう濃厚でなく、ほんのちょっと前のNYジャズ的(いわゆるジャズファンが好みそう)な演奏が多いのは、Robert Glasperスタイルからの揺り戻しをRobert Glasperを交えて演りたかったというOtis Brown IIIの意識か、はたまたRobert Glasper的ドラムではChris Dave、Mark Colenburgに座を奪われて自身のスタイルを別に作り出したいという意識か、それとも。。。 なんて、いろいろ妄想できます(笑)

白眉はKeyon HarroldのTpで、勢いの良いサウンドをそこここで聴かせてくれています。

ベストは、集大成的な1曲目で良いと思います。

Otis Brown III "Thought of You"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00LPGIMFS/)

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