Frederico Heliodoro "VERANO"

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Frederico Heliodoroというブラジルのベーシストで、Disk UnionのE氏のインターネット上での文章で知った人で、この前のデビューアルバムが妙に気になったのがなりそめ。
が、値段がどうにも高くてなかなか手を出せずにいたのですがようやく聴くことができました。

 Frederico Heliodoro "DOIS MUNDOS"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62971060.html)

最近、Affonsinhoって人のアルバムを聴いたんですが、このFederico HeliodoroはそのAffonsinhoの息子さんなんだそうです。
変なところで変な繋がりを知って、結構びっくりしています。

 Affonsinho "Depois De Agora"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62968359.html)

前作を聴けるタイミングで本作も聴く機会を得ましたので、こちらも紹介する次第であります。
メンツは前作とドラムだけ一緒で、ギターが抜けたトリオになります。
FREDERICO HELIODORO(B)、FELIPE CONTINENTINO(Ds)、MARCUS ABJAUD(P)

演奏曲は以下の通りの7曲
1. Vida Nova Outra Vez
2. Verano
3. Festa de Fim de Mundo
4. Topo do mundo
5. Louco Sertanejo
6. Riza
7. MBS

ギターが抜けただけでずいぶんと雰囲気は変化してまして、ギターが醸すブラジルな雰囲気が希薄になってる印象です。
曲のサウンド的にもブラジル特有のハーモニーを聴かれる場面が少なく、よりジャズな濃度が濃い印象で、構成もジャズのテーマ->ソロというものが大半で、この辺もジャズな雰囲気を色濃く感じるところと認識しています。

が、その分ボイスを多用することで若干なりともブラジルな雰囲気を注入しているところもあり、1曲めではボイスが奏でる部分でブラジルな雰囲気をそこはかとなく感じられ、3曲目ではダークな曲調にあわせて"けだるい"感が出ているのは良い雰囲気を感じるところです。

また、最近のRobert Glasper系のジャズの影響も少し感じられ、単調なピアノフレーズにドラム(と、ベース)が面白い動きをするような曲があったりと、全体には前作に比べてもジャズ臭の濃い作品になっていると感じています。

とはいえ、やっぱり聴いていて独特な雰囲気を感じているのも事実で、これは、これまでの(特に)アメリカのジャズの人がブラジルテイストを注入するのとは違い、ブラジルの人がジャズを演っているというのが、新しい雰囲気を感じさせている大きな要因になっているのではないかと推測しています。

と、結構微妙かつ絶妙なバランスのところで成り立っている音楽のような気もしていますが、ジャズの中でも新しいサウンドを聴かせてくれていると言う意味では貴重な作品になっているのかもしれません。

ベストは、5曲目でしょうか。長いんですがインパクトの強い演奏です。

Frederico Heliodoro "VERANO"(http://diskunion.net/latin/ct/detail/WOR27054)

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