スガダイロートリオ "GOLDEN FISH"

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スガダイローさんのアルバムもここのところ、かかさず購入している感じでありまして、最近作は、山下洋輔さんとの強烈なデュオ作

 "山下洋輔xスガダイロー"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62782124.html)

その前が、本作と同じく流通限定でのリリースだったレギュラートリオ作で2013年のリリースでした。

  "刃文"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62154602.html)

本作がその翌年にリリースされているのは、"刃文"の前が"坂本龍馬の拳銃""黒船 ビギニング"の2部作で、4年のブランクがあったことを考えると、ずいぶんと短期間でのリリースだと驚くんですが、それだけレギュラートリオでの活動が活発でノっているということなんでしょう。
今回のリリースは、この正規アルバムに、"キワもの"のオマケ(といっても有償)の2枚同時リリースでそっちも追って紹介します。アルバムとしては"キワもの"ですが演奏は良いもんも入ってましたです。


本作のほうは、しっかりレギュラートリオでの演奏なのでメンツは下記3人と、1曲でゲストが入ります。
スガダイロー(P)、東保光(B)、服部マサツグ(Ds)
トニー・チャンティ(Vo:5)

演奏曲は以下の通りで、詩を歌詞にしている"雨ニモマケズ"が前作でもやってました。
1.黒坊主、参り候
2.それでも地球は回っている
3.バージェス頁岩
4.新しい朝
5.雨ニモマケズ 
6.群青
7.生命の迷路
8.GOLDEN FISH
9.ゆきゆきて円環

ブルージーなイントロから、ガツガツの演奏になだれ込む1曲目がオープニング。ここで一気にスガダイローワールドに引き込まれます。
左手から繰り出される凶暴なリズムとそれに呼応するようなドラムの怒涛のサウンドに圧倒されるばかり。
2曲目は軽快な曲調を多少の演奏の荒れは気にせず颯爽と駆け抜けていくような演奏。
美旋律を思い入れたっぷりに聴かせる3曲目、訥々としたリズムから大らかな演奏になっていく4曲目。
5曲目はピアノソロで伴奏する有名詩の歌唱。これがまた良いんです。が同時発売のほうのトリオ版もこれまた良い。

スガダイローのピアノも個性的なものがありまして、大らかなダイナミズムのある打鍵で奏でられる美旋律から、フリーキーなトーンで過激に攻める場面から、山下洋輔譲りと言えそうな強打鍵の早弾きと縦横無尽、変幻自在、抱腹絶倒、繰り出される圧倒的なサウンドはいつ聴いても耳目を惹きつけられる魅力を持っています。
そのダイローさんの演奏を煽りにあおる服部さんのドラムの凶暴性というか、裏に表に絶妙なサウンドを繰り出し全体をがっつりと締めあげるような東保さんのベースの秀逸さとレギュラートリオだけあって、一体感のあるサウンドは充実度の高いものがあります。

全体に、熱い演奏で弾き倒すというより、じっくりしっかり聴かせる演奏が多めで、正攻法的にスガダイロートリオをじっくりたっぷり楽しめる内容に仕上がっていると感じています。

ベストはアルバムタイトル曲でしょう。

スガダイロートリオ "GOLDEN FISH"(http://velvetsun.shop-pro.jp/?pid=83189159)

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