森山・板橋クインテット "Straight Edge"

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2014年1月2日に新宿ピットインで行われたライブを収めたアルバムで、"ピットインミュ-ジック"というピットインのレーベルからのリリースです。
と、調べたら今年も同じ日に同じメンツでライブやるんですね(驚)

いつだったか誰かが「現在進行形のジャズを聴くなら、NYのは一連の"live at smalls"、日本では"ピットインミュ-ジック"」
なんて書いているのを読んで非常に気になっていたレーベルでしたが、気になる盤が出なかったため縁ができてこないレーベルでした。
が、昨年秋に森山・板橋クインテットのアルバムが出るという情報を知り、予約を入れて楽しみに待っていたら突然発売未定のような状態になり、強制キャンセルをくらいまして..。その後すぐに発売告知が出て予約先を変えて12月上旬に入手にいたりました。
後から調べたら、この盤がこのレーベルからのリリースだと知ったという顛末でした。

森山・板橋コンビの作品というと、1980年代90年代にリアルタイムに森山さんのライブを聴いている人だと感慨深いものがあるんだろうなとは思いますが、遅れて聴きだしている身にはそこまでの思い入れがあるわけではないのですが、とはいえ自blog漁ると下記4枚が出てくるくらいには聴いています。
 "Over The Rainbow"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61893929.html)
 "Smile"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61856239.html)
 "Live At Lovely"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58916793.html)
 "マナ"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a47429143.html)

というメンツは、重鎮3人(森山、板橋、川嶋)に、中堅2人(類家、加藤)が対峙する構図か?
と言うには加藤さんも中堅の域を脱してる??
森山威男(Ds)、板橋文夫(P)、川嶋哲郎(Sax)、類家心平(Tp)、加藤真一(B)

演奏曲は以下の通り、この曲名見て買わないわけいかないでしょう。というのもありますね。
1. アリゲーターダンス
2. がんばんべぇー! 東北 No.2
3. 渡良瀬
4. サンライズ
5. グッドバイ

板橋さんのピアノが奏でる力強いイントロから2管が真っ向からがっつりと組み合うようにテーマを奏でるオープニング。
ソロは類家さんから。近作(リーダー作、TZB)で聴かせるちょっとクールな雰囲気とは違い雪崩のようなピアノを従え熱く責め立てる。
続くは、川嶋さんのソロ。冒頭最初の旋律からしてちょうどフリーに行く直前のJohn Coltraneといった感じで、取り憑かれたかのような渾身のブローでガンガンに責め立てる。それが徐々に早いフレーズへと..。
そして、板橋さんのピアノソロ。川嶋さんのフレーズを引き継ぐような感じで始まり徐々にテンションを上げつつピアノを叩きまくる。
加藤さんのベースソロは、ウッドベースの胴の響きを大切にしつつ美旋律を奏でるもの。
そして、森山さん登場。牛の大群がドドドーッと押し寄せてくるかの如くの存在感抜群のドラミング。
ある種の安心感を感じさせつつ一気呵成に駆け抜ける。
と、全員のソロまわしの自己紹介的な1曲目。
2曲目も1曲目に近いテンションの高い演奏で、川嶋さんのソロからダイナミズムをも感じさせる熱い熱い演奏を繰り広げる地震復興応援歌。
そして名曲、わたらせ。抒情感あるピアノイントロに導かれ川嶋さんのサックスで主旋律が奏でられる。
全般的にゆったりした雰囲気に包まれた演奏が繰り広げられる。
逆にサンライズはダイナミックさを感じさせる演奏で、森山・板橋クインテットの真骨頂はこういう演奏にこそ存在すると知らしめているような演奏。
最後のグッドバイは、しっとりとリリシズムを感じさせつつも力強い演奏で、これでライブを締めくくります。

森山、板橋、川嶋の3者が、往時からの王道的和ジャズな展開で演奏を繰り広げる中、類家が新しめのフレーズだったりハーモニーを厚くするようなフレーズを入れることで、バンドにカンフル剤的に打ち込んでいくような構図か。
冒頭に書いたように2015年始も同じメンツでライブを演っているので、リーダーの2人が類家さんに刺激をもらえるこのメンツでの演奏を相当気に入っているということなんでしょうね。

ベストは、4曲目でしょう。


森山・板橋クインテット "Straight Edge"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00OXOE7VW/)

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