板橋文夫 ミックスダイナマイト "游"

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板橋さんのミックス・ダイナマイト名義のアルバムはたぶんこれが初聴きです。
ミックス・ダイナマイト名義のアルバムは4枚くらい出ていそうで、これが3枚めで1995年の録音のようです。
オーマガトキジャズ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61788462.html)レーベルからのリリースでオーマガトキジャズとしては10枚めのアルバムです。
板橋さんのリーダーアルバムはこれまでトリオ、ソロで聴くことが多く、もっともライブでは、林さん、峰さん、梅津さんとかいろいろ聴いているんですけど、ほぼ唯一の例外が"We 11"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58441623.html)でしょうか。
非リーダー作だと、森山威男さんの諸作では多く聴いて入るんですが..
なんで、管入りの板橋さんのリーダーアルバムは(一応)かなり久々と言うことになります。

メンツは、片山さんのサックスに井野さん小山さんの盤石の面々に、和楽器の竹澤さんが入ります。
箏は琴のこと、十七絃は琴の少し大きいヤツ?、三絃は三味線ですね。
板橋文夫(P)、片山広明(Ts,Bs)、井野信義(B)、小山彰太(Ds)、竹澤悦子(箏,十七絃,三絃)

演奏曲は、7曲目以外は板橋さんのオリジナル。7曲目は、作詞:北原白秋、作曲:福井文彦のCMソング(http://14.studio-web.net/~yamahisa/kanpyo.html)だったようです。
1. ダダダッ
2. 雷門
3. ゴリゴリ′95
4. YOU !
5. たそがれ
6. 月の輪
7. かんぴょう
8. 21
9. ゴスペル′94
10. もう一度この街に

中央線ジャズ総本山のオーマガトキジャズから、レーベルカラーも見えてきた10枚めのリリースとなると、演奏は中央線ジャズの範疇にしっかりはまるようなスタイルと言って良いでしょう。

冒頭、片山さんの(ひたすら"だだだっ"って言う)主旋律に板橋さんのグリッサンドが絡みつく。
そこに竹澤さんの琴のサウンドがアクセント的に入ってくる。
アヴァンギャルドな曲調に琴の音色は、合っているような合っていないような..
中盤では、片山節さく裂のサックスソロも聴けます。
2曲目はベースの歪音が響く2ビートのテーマから、琴が出てきてシリアスな局面へ、片山さんの絶叫サックスがおどろおどろしさを醸しだす。
3曲目は、ファニーで早いテーマに、タイトル通りのゴリゴリのフリーな演奏が挟まれる展開。これ圧巻。
4曲目は、"底なし沼だ。もう這い上がれねぇ♪"と、ボーカル入り。三味線とサックスの掛け合いの中間部が良い味出ている。
5曲目は、グッドバイに似た哀愁のバラード。ピアノソロで奏でられます。後半の盛り上がりが...
しっとりとした琴の音色から雄大な曲調へ、そしてズンチャズンチャのリズム・・・と、変幻自在に展開する6曲目。
そして、CMソングの7曲目。テーマが平易なので馴染み良く片山節が聴ける?
下降スタイルのテーマからフリーへ、さらにブルースへとここでも見事な変転ぶりを見せ、最後は小山さんの怒涛のドラムソロで締めくくられる8曲目。凄ぇ..。
歌い上げ系美旋律の9曲目。中後半でぐぐぐっと盛り上がってくるんですが、そこでの掛け声が・・・(苦笑)。
最後は、琴とピアノのデュオでしっとりと締めくくられます。

ということで、琴、三味線をジャズに効果的に使うことを実験的に演っている部分もあると思いますが、聴き馴れれば違和感ないんですが、当初はやっぱりちょっと・・な感じがあったのも事実。
とはいえ、あまり和楽器が入っていることを意識する必要もなく、どっぷりと板橋ワールド、片山ワールドを堪能できる作品だと思います。

ベストは3曲目でしょう。


板橋文夫 ミックスダイナマイト "游"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0000564HS/)

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