Jean Michel Pilc "What Is This Thing Called?"

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Jean Michel Pilcも、最初のインパクトが強く、新譜が出ると気になるピアニストの1人です。
自blogを漁ると10枚出てきます。代表的なものを列挙しときます。
 "TOGETHER Vol.1"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56971137.html)
 "TOGETHER Vol.2"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a45678632.html)
ソロ作としては、"Essential"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60621616.html)以来の3作目で良いと思います。

ということで、メンツは・・・ソロピアノです。
Jean Michel Pilc(P)

演奏曲は以下の通りで、これは基本的には完全即興曲集ということで良いと思います。
2曲目だけ除外ですね。
最短30秒、最長6分37秒、1~2分程度の曲が大半を占めています。
01. C Scale Warm up
02. What this thing called Love
03. Cole
04. Dawn
05. Walk
06. Run
07. Glide
08. Look
09. Cross
10. Giant
11. Time
12. Prelude
13. Duet
14. Vox
15. Waves
16. Martial
17. Duke
18. Factor
19. More
20. Quick
21. Odd
22. Grace
23. Float
24. High
25. Ode
26. Chimes
27. Dance
28. Elegy
29. Bells
30. Swing
31. Now You Know what Love is

1曲目がタイトル通りドレミファソラシドが主旋律で、これにおかずをくっつけて1曲に仕立て上げている。Warm upとあるように練習曲然としていますが、結構良い感じに仕上がってます。
が、冒頭がこれなのでちょっとのけぞったのは事実です。

この後は、2曲目はスタンダードですが、上述の通り比較的短かい時間でころころと曲調が変わっていく。
これがほとんど即興演奏のはずなんですが、しっかりとした旋律を持っているんで、しっかりとした聴き応えを感じられます。
が、即興を聴いているというよりも、クラシックのエチュードを聴いているような感じになってくるのは。。

もっとも、名手Jean Michel Pilcなんで、ジャジーだったり、メロディアスだったりと変幻自在でありながらなかなか大胆なアプローチを見せてくれ、前述の通りしっかりとした旋律を感じさせてもくれるので、変に中途半端な感じとか、もの足りないとか煮え切らないようなこともなく楽しめる内容に仕上がってます。
また、Jean Michel Pilcというと、スタンダードを大胆かつ絶妙に崩すところに妙技があるわけですが、16曲目で顕著ですが、ほんのちょっとずつですがいろんな曲がひょっこり顔を出してたりして、こういうところでニヤつかせてもらえます。が、出し惜しみしてる感じがしないわけでもないんですが..

ということで、名手Jean Michel Pilcの多彩な表現力をたっぷり堪能できる快作と言ってよいでしょう。
でも、こんな演奏形態なので、ベストは挙げられません。


Jean Michel Pilc "What Is This Thing Called?"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00PG4GFJA/)

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