鈴木勲 "衝撃のアヴェ・マリア"

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オマさんこと鈴木勲さんのアルバムがリリースされました。日本人のジャズを多く聴いていますが、古くから
活躍している方のアルバムを積極的には買っていませんで..。
たとえば、ジョージ川口さんとか、松本英彦さんとか、あとちょっと前にユニオンで復刻していた白木秀雄さんとか・・。
もっと言うと、日野皓正さん、渡部貞夫さんですら積極的に買っていない、聴いていないです。
なんで、blogでも多くは取り上げていない。
鈴木勲さんも自分の中ではこの範疇に入っていましてこのアルバムもあまり食指が動かず眺めていたのですが、メンツを見たら俄然気になって買うことに決めてしまいました。
そのメンツは以下の通り、最近の若手中堅の良い面々、しかも共演少なそうな人をも揃えていてそそられます。
と思って過去盤眺めてたら、"Solitude"(2008)で纐纈雅代、OMA SOUND(2006)でスガダイロー,織原良次,森田修史、"BLOW UP 2"(2003)で佐藤丈青,力武誠と結構な面々との共演歴が.. へぇ

鈴木勲(B)、類家心平(Tp)、纐纈雅代(As,Ts)、市野元彦(G)、板垣光弘(P,Syn)、竹村一哲(Ds)、吉良創太(Ds)

演奏曲は以下の通り。オリジナルが3曲(4,5,10)その他7曲と言う布陣。
01. スーパースター
02. マック・ザ・ナイフ
03. アヴェ・マリア (Franz Schubert)
04. Q
05. ライク・イット
06. アヴェ・マリア (Giulio Caccini)
07. バグス・グルーヴ
08. アンソロポロジー
09. ラヴ・イズ・オーヴァー
10. 紫式部

曲によりメンツが変わりましてメンツ毎に参加曲を記載してみました。ライナーは曲毎の記載。
鈴木勲(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)
類家心平(4,8,10)
纐纈雅代(1,2,4,5,7,8,10)
市野元彦(4,8,10)
板垣光弘(1,2,3,4,6,7,8,9,10)
竹村一哲(4,8,10)
吉良創太(1,2,5,7)
当初のメンツ買い的には、類家、市野、竹村の3氏は3曲だけの参加(但し共演)。
纐纈は前作で共演しているので勝手知ったるなのか7割で参加。
一番出番が多いのは板垣ってことになります。(敬称略)

1,2,7曲目がサックス入りの1ホーンカルテット、3,6,9曲目がピアノとのデュオ、5曲目がサックストリオ、4,8,10曲目が6人の大編成という構成。

冒頭、シンセサイザをバックにベースがCarpentersの有名な旋律を奏でるイントロから、纐纈さんのアグレッシブな暴れるサックスに引き継がれる1曲目。
纐纈さんのアグレッシブなソロから板垣さんの軽快なソロへと引き継がれ・・・とこれがフェードアウトなんですねぇ。ちょっと興が削がれますねぇ。
3曲目は、板垣さんとのデュオなんですが、シンセサイザをバックにベースソロで、アヴェマリアを演奏する。鼻息とか咳とかそのまま録音しちゃったりといろんな意味での臨場感を感じさせる音作り。
9曲目が欧陽菲菲の有名曲で、これも同様にシンセサイザをバックに、ベースでしっとりと歌い上げる。
5曲目がサックストリオで3分弱と短い曲だが、3者が暴れまくったかなり強力強烈な曲。
こういうのは纐纈さんがいるからこそなんでしょう。板垣さんもこの盤の中で一番格好良い演奏かも。
そして、4,8,10曲目。2管の6人という大編成。ここだけメンツが入れ替わってると言えるので、このアルバムの中ではちょっと毛色の違う演奏に感じられる。
いろいろ粗い部分が散見されるが、それ以上に勢いに任せた演奏を聴かせることに主眼をおいているんじゃないかと推測。
テーマの入り口とか全然揃っていなかったり、きっと、あまりリハーサルもせずセッション的に録音されているんじゃないかと思います。
ただ、市野さんが最近の演奏のなかでは、しっかりとしたソロを取る部分があったりと、一番音数が多い演奏なんじゃないかとか、普段と違う一面が見れると言う意味では貴重な演奏。
ただ、10曲目最後の最後がブチッと音が切れるような処置で、これも冒頭同様興が削がれます。

全体に、メンツは変わるので完全に印象としてだが、オマさんと纐纈さんが良い意味で好き勝手な演奏を繰り広げるなか、他の面々が演奏の表層をしっかり塗り固めていくようなイメージを感じる。
特にピアノの板垣さんが(出番も多いが)演奏のかなめ的立ち位置で、あまり派手に立ち回らないで番頭的に全体に気を配った演奏をしている。

オマさんですが、80歳超えてるらしいですが全然年齢を感じさせない力強くもアグレッシブなベースを弾いてまして、老いてなお・・・って感じ。

ベストは4曲目。

鈴木勲 "衝撃のアヴェ・マリア"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00R8DU2IC/)

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