Rudresh Mahanthappa "Bird Calls"

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Rudresh Mahanthappaのリーダー作も、ここのところ出たら買いを続けています。

MSG名義の"Tasty!"というアルバムが馴れ初めで、その後見つけたら買いに近い状態で、数作購入。
前作は、"Gamak"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61815946.html)なので2年前ということになります。

メンツは以下の通りの2管クインテット。前作、前々作ともメンツは変わっています。ベースは一緒か..
Rudresh Mahanthappa(As)、Adam O’Farrill(Tp)、Matt Mitchell(P)、Francois Moutin(B)、Rudy Royston(Ds)

演奏曲は以下の通りの12曲で、すべてRudresh Mahanthappaのオリジナル。
Bird Callというのが5つ入るがこれは1~2分台の小品なので、実質は7曲入りということになるかな。
01 Bird Calls #1
02 On The DL
03 Bird Calls #2
04 Chillin'
05 Bird Calls #3
06 Talin Is Thinking
07 Both Hands
08 Bird Calls #4
09 Gopuram
10 Maybe Later
11 Bird Calls #5
12 Sure Why Not?

1曲目こそインドな旋律を多用したサイケな曲で前述の通りの2分台の小品だが、2曲目はコンテンポラリ色を感じさせる細かいビートの非4ビート系の曲。テーマは細かい音符が羅列している小刻みな旋律で、ソロは少し長めの音符で落ち着きを感じるくらいの展開。このギャップが楽しい演奏。
3曲目は、サックスとトランペットの掛け合いが見事な小品。そのノリのまま次の曲へ
曲順にあるとおり、概ね1~2曲ごとに小品が挟まれるわけですが、後の曲へのイントロだったり、前後の曲を繋げる役割を果たすようなもので、本編は大半が7~8分台のしっかりがっつり聴かせる演奏。

アルバムを通しで聴いていて耳に残るのが、細かく音階を刻むようなフレーズを多用していて、テーマが細かいフレーズで作られているのもあれば、ドラムがこれでもかってくらい細かく刻んだビートを奏で、それに呼応して他の楽器も細かいフレーズで責め立てる場面が頻出。逆に、この細かいビートに乗って、ゆったりしたフレーズを奏でる部分が良いアクセントに感じるくらい。
この細かい音の刻みがインド音楽系の影響と言われればそうかもしれないが、これがこのアルバムの主題と言われれば納得するかなぁ

今回、若手のRudy Roystonをドラムに起用しているのは、この特徴的なドラムをしっかり表現できる人材ってことなんでしょう。
このドラムがベースにあることで演奏の安定感はかなり向上しているんだと思います。
他の奏者では、やっぱりリーダーのRudresh Mahanthappaのサックスの先鋭的なサウンドでの印象的なフレーズが一番印象的だが、それに音色は柔らかめだがしっかり着いてくるAdam O’Farrillのトランペットも、良い味出している。
ピアノのMatt Mitchellの絶妙な合いの手も、早いフレーズに良い味つけを施していて好感触。彼はDave DouglasのバンドでRudy Roystonと共演している繋がりから参加なのかな。
Francois Moutinについての言及がないが、8曲目のBird Calls #4が彼のソロです。
こう書いていると、演奏者のバランス的も良く、人選的にも成功していると感じられます。

ベストは7曲目でしょう。

Rudresh Mahanthappa "Bird Calls"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00PD9MVU0/)

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