David Kikoski "The Five"

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David Kikoskiのリーダー作で2001年の作品。Disk UNIONが作成したもので、近いところでは、全部criss crossで、1999年の"The Maze"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58870646.html)とか、2002年の"Combinations"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58979123.html)、2005年の"Limits"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59057039.html)なんて作品があります。
この盤のメンツは、2002年のアルバムに近いですが、ここでの管入りの演奏は2曲だけ。
David Kikoskiは、管入りのコンボで映えるピアノという位置づけと個人的には認識しているのですが、トリオでのアルバムが多い印象で、この間にもトリオの作品が多くリリースされています。
上記3枚も1管のカルテットなんですが、ここでクインテットでリーダーアルバムを作った大英断には拍手を送りたい気分です。
ということで、中古漁りをしていたら、メンツでひっかかって購入してきた盤です。盤質悪かったんですが問題なく聴けてます。
と言うメンツは以下の通り。上記のうち2枚で一緒のSeamus BlakeにJeff "Tain" Wattsを擁したクインテットです。
David Kikoski(P)、Seamus Blake(Ts)、Alex Sipiagin(Tp)、Boris Kozlov(B)、Jeff "Tain" Watts(Ds)

演奏曲は6曲全てDavid Kikoskiのオリジナルです。
1. Winnie's Garden
2. Song In Five
3. K's Blues
4. Little Angel
5. Train Of Thought
6. Chant

1曲目、ノリの良いハードバピシュな演奏。Boris Kozlovの軽快なベースに乗って、Alex Sipiagin、Seamus Blake、David Kikoskiとソロを決めていく。
2曲目、元気のよいイントロから端正でノリの良い本題へとなだれ込む5拍子の曲。後半のピアノソロが圧巻です。
8ビート然とした4ビート(意味不明)で2管アンサンブルのちょっとしたテーマの後、一気にピアノソロなだれ込む3曲目。
ここでインターバル的にバラード演奏の4曲目。冒頭のSeamus Blakeののっぺりしたソロがなんだか良い味だしています。
5曲目は、ちょっとコンテンポラリ(都会的)な雰囲気を感じさせる8ビートの(良くも悪くも)、妙におしゃれな楽曲。
6曲目は、ガッツリとしたドラムソロから、ベースのリズムが特徴的な5拍子。

全体にリーダーのピアノの音がよく前面に出て、David Kikoskiの表現力の高さをしっかり感じさせる作りになってます。
Boris Kozlovのオーソドクスでありながら盤石で手堅いベースと、昨今の流行りから較べればてんで重厚感のあるJeff "Tain" Wattsのドラムが織りなす、ヘヴィなリズムが全体を支配。
Seamus Blakeも、Alex Sipiaginも良い感じにテンションの高いソロを繰り広げていて、満足度は高いです。
が、インパクトがある作品というよりは安心して聴ける作品って感じでしょう。

でも、この後もリーダー作としては2管のアルバムを作って無いので、本人としてはあまり良い感触ではなかったのか..。

ベストは2曲目の5拍子。
アルバムタイトルが"The Five"なのって、クインテットって意味と、5拍子多用って2つの意味がある?

David Kikoski "The Five"(http://www.amazon.co.jp/dp/B000068QVU/)

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