Shai Maestro "Untold Stories"

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Shai Maestroの新作です。前作は2013年10月リリースの”Road To Ithaca”(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62357243.html)だったので、おおよそ2年に1枚程度のペースでコンスタントにリリースしています。

Shai Maestroを意識したのはAvishai Cohenの"Night of Magic"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61871897.html)を聴いたらShai Maestroのピアノがことのほか良かったからなんですが、、最近は他人のリーダー作に参加ってのがなさそうなのが何を表しているのか。。気になります。

メンツは、初リーダー作から不変の以下の3人
Shai Maestro(P)、Jorge Roeder(B)、Ziv Ravitz(Ds)

演奏曲は1曲目が3者共作で、他はShai Maestroのオリジナルです。
01. Maya's Song
02. When You Stop Seeing
03. Treelogy
04. Elusive
05. Painting
06. Endless Winter
07. Shades
08. Looking Back (Quiet reflection)

美旋律のはっきりしているが流暢な曲が多い中、ところどころに、温度感高めの演奏が紛れるような塩梅。
そこはかとなく中東色を感じる気もしますが、気がする程度(・・・、でもなくそういう耳で聴くと中東色はけっこうあるかも..)。

いずれの曲も、三者の誰一人としてリズムを刻むだけのような仕事はしておらず、
しっかりとしたインタープレイを繰り広げている。
さらに曲があまり難解(フリーに走ったり、変拍子の応酬だったり…)ではないので、演奏をしっかり聴かせる体制が整っているのが、聴き応えを引き出している印象。
前作、前々作では、ボーカルだったりピアノ以外の楽器を使った曲が気分転換的に1曲入っていたが、本作では最後の曲でカセットテープをセットするような音を入れている程度で、直球でピアノトリオの演奏を聴かせてくれているのが好感触。

ピアノの、無駄に抑揚をつけ過ぎないながら絶妙に洗練されたフレーズの美しさ。
ベースがピアノに負けないくらいかなりメロディアスな旋律を奏でる。
ドラムが、強めの打音でアクセントをつけながら、演奏に見事な彩りを添える。
3者の掛け合いが、かなり高い次元でみごとに融合する様は、かなりな聴き応えがあると思います。
1曲め、5曲めの盛り上げ方とかなかなか良い味出してますし、4曲めとか6曲めのしっとり聴かせる演奏もまた見事。

ベストは1曲めで良いと思います。


Shai Maestro "Untold Stories"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00TXANV7C/)

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