Charlie Haden/Gonzalo Rubalcaba “Tokyo Adagio”

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Charlie Hadenのデュオ作は過去から定評があり、個人的にも相当量購入して聴いていますが、結局生で見ることはできませんでした。
亡くなった時の追悼ページにずらずらと並べてあるので参考までに..
 R.I.P. Charlie Haden(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62718065.html)

ここに紹介した以降に、Keith Jarrett、Jim Hallとのデュオがリリースされてます。追悼盤もデュオが多いってことですね。
  "Last Dance"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62723115.html)
 "Charlie Haden Jim Hall"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62919269.html)

ということで、本作も没後リリースのデュオ作で、Gonzalo Rubalcabaと2005年3月にBlue Note Tokyoで行われたライブを収録したアルバムです。
と言うことでメンツは以下の通り。
Gonzalo Rubalcaba(P)、Charlie Haden(B)

演奏曲は、Gonzalo Rubalcaba、Charlie Haden、Ornette Coleman、Rojas Martin、Lara Agustin..各1曲という布陣。
1曲除いて、7~11分という長めの演奏になってます。
01. En La Orilla Del Mundo
02. My Love And I
03. When Will The Blues Leave
04. Sandino
05. Solamente Una Vez (You Belong To My Heart)
06. Transparence

ピアノの響きを充分に活かすようなゆったりとした運指の演奏と、それにうながされるように音を紡ぎ出すCharlie Hadenのベースの妙が美しくもそそられるというのが第一印象。

Gonzalo Rubalcabaは、デビュー当初ラテン色の濃い演奏で、強タッチで早いフレーズを見せびらかしていた記憶が残っているんですが、ある時期から次第に聴かなくなっていたら、いつの頃からかラテン色を出さすにNYを感じさせるジャズを演奏するスタイルに変わってまして驚いた記憶があります。
そして本作でも、ラテン色はほぼ感じられず(タッチの強さに残っているか)、前述の通り打鍵の響きを生かすような音数を極力減らしての演奏は、バックに聞こえる食器の雑音がうるさく感じるほど、空間を活かし静謐にして美麗というGonzalo Rubalcabaらしからぬ(と、言ったら失礼か)ピアノを聴かせてくれています。
この滋味深いピアノが奏でられているのは、きっとCharlie Hadenの演奏に感化されたからで、ここでのCharlie Hadenは、フレーズこそ往年のCharlie Hadenらしさを感じられると思うがタッチは少し弱めで、往時のように音楽を強引にCharlie Hadenワールドにしてしまうようなパワーは足りないか。
という求心力の弱さを持ってしても、Charlie Hadenの演奏は耳目に値すると感じられるのが、恐ろしい...。

しかし、ここまでじっくりゆったりと演奏を聴かせる技量ってのはもの凄いと思います。
正直、Charlie Hadenも凄いがGonzalo Rubalcabaが凄いと感じてます。

ベストは1曲目になるんでしょうか。どの曲も捨て難い。


Charlie Haden/Gonzalo Rubalcaba “Tokyo Adagio”(http://www.amazon.co.jp/dp/B00WFKXPKK/)

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