Kamasi Washington "The Epic" DISK1
この盤も巷で話題になっているのをずっと横目で見ていたのですが、なんとなく食指が動かないままだったんですが、話題が収まる気配もなく、3枚組で安価だったしというあまり積極的ではない理由で買い込んできています。
自blogの過去掲載を検索しましたが、Kamasi Washingtonの名前はなかったんで初聴きでしょう。
話題にあがるのは、Kendrick Lamar、Flying Lotusという名前とともにということが多いんですが、正直なところ、その両人、っていうかLap,HipHop系はほとんど聴かないので(だから食指が動かなかったということで)、本当はそっち系を少しでも齧っておくことで、最近のRobert GlasperとかMark Guilianaとかの楽曲の楽しみ方が拡がるんだろうなとは思っているんですが、なかなか...。
そんなわけで、音楽を楽しむためなのか、勉強のためなのかよく判らないんですがとりあえず聴いたんで紹介します。
本作は3枚組で、それぞれサブタイトルもついていてちょっとずつ雰囲気も違うんで、別々に紹介。
Volume 1 - The Plan
Volume 2 - The Glorious Tale
Volume 3 - The Historic Repitition
とはいえ、もしかしたら一気に3枚通して聴いて踊ってればよくて、こんな感想文を書くもんでもないのかもしれませんが..
メンツは以下の通り。
Kamasi Washington(Ts)、Ryan Porter(Tb)、Igmar Thomas(Tp)、Cameron Graves(P)、Brandon Coleman(Key)、Miles Mosley(B)、Stephen Bruner(B)、Tony Austin(Ds)、Ronald Bruner(Ds)、Leon Mobley(Per)
演奏曲は、Kamasi Washingtonのオリジナルだらけで、いくつかの曲にDedicated to *** という記載があります。
ちなみに、1枚めは、1曲目にDedicated to Austin Peraltaの記載がありました。
01. Change of the Guard
02. Askim
03. Isabelle
04. Final Thought
05. The Next Step
06. The Rhythm Changes
ピアノのガツンとしたイントロから、管のアンサンブルでのテーマへの進行はジャズっぽいんですが、その裏側にコーラスが重なってて、これが異様な雰囲気を醸し出してます。
その直後のピアノソロは、最近の曲に多い早いフレーズをこれでもかと弾き倒すスタイル。
さらにその後は、トランペットソロ、サックスソロと続くんですが、がっつりとしたブローをかましつつのジャジーなソロで、これは聴き応えがあります。
がなんといっても、前述のコーラスがもたらす雰囲気の(良くも悪くもだと思うが)違和感が、圧倒的な存在感を持っていて...。
2曲目も同様に、コーラスとオルガンとが作り出すフレーズが象徴的で、このサウンドの雰囲気に聴き馴れるにしたがって、変な気持ち良さが出てくると言うか.. ソロは前曲同様にガツンとした聴き応えのあるもので1曲目と同傾向の曲。これで約25分経過。
3曲目は、テンポをぐっと落としてベースがリズム形成する上でオルガンをフィーチャした曲。
スピリチュアル感はないがちょっと怪しい雰囲気を醸した曲。
コンガのせいでアフリカな雰囲気を感じる低音基調の打楽器強めのミニマルなリズムが格好良い6分台の小品。
素朴な雰囲気で始まるが、オルガンが入りコーラスが入りと、徐々に音数が増していき、壮大なイメージにまで発展していき、気分を落ち着かせるようにエンディングにつながる5曲目。
最後は女性ボーカルをフィーチャしたポップ感のある曲で締めくくり。
ということで、なんといってもコーラスと、オルガン、エレピが重層的に作り出す全体のサウンドテクスチャが独特のKamasi Washingtonワールドになっているのが特徴的。
この大仰さをどう感じるかどうとらえるか、これに馴れるかが評価の決め手になるような気がするのは偏向した聴き方をしているからか。
他の人の文章を読んでいて、Pharoah Sandersが好きだと「待ってました!!」な演奏だというのがあり、個人的にPharoah Sandersはあまり聴き込んでいないので、すぐにピンとくる感じではないですが、多少の記憶から「なるほどねぇ」とは思いました。
この盤でのベストは4曲目でしょうか。
Kamasi Washington "The Epic" DISK1(http://www.amazon.co.jp/dp/B00UVIR4G4/)
この記事へのコメント