THE MODERN TRIO "Fox Wedding"

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南博さんのピアノトリオ作品で、デンマークの面々を従えた2枚目のアルバムです。
前作の紹介は↓
 "Behind The Inside"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62205850.html)

このアルバムがでる前は、日本人を擁したトリオ作が数枚(下記)出ており、そこそこの人気があったと思いますが、このあとダウンロードだけでライブ音源がリリースされてましたが、今もあるかは??
 "Body & Soul"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60753730.html)
 "Like Someone In Love"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53426957.html)
 "Girl Next Door"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59330932.html)
と思いましたら、East Works Entertainment 自体があまり業績よろしくない噂を聞きましてそれまではeweからのリリースが多かった印象でしたが、前作はAirplane Label、本作は Apollo Soundsとレーベルを転々としながらのリリースになっています。
なんだかいろいろ厳しい状況を垣間見てしまったような...。


メンツは前作と同じ3人。
2015/01/02にデンマークで録音したもので、前作録音時に2枚分録音したわけではありません。
南博(P)、Nils Davidsen(B)、Anders Mogensen(Ds)

演奏曲は以下の8曲。特にクレジットの記載はなかったのですが、全部即興でしょう。
01. Sviking
02. Fox Weddin
03. Cathedral Of Atonal
04. After Stravinsky Sleeps
05. Bright Darkness
06. Bells
07. Meeting In Purple
08. Streeet Signal・Turn Off


全体的に空間を大いに生かしたようなサウンドで、最低限でありながら絶妙な音数と、絶妙なフレーズで音楽を形成していく。
音的には訥々とした演奏でいながら、充満した印象を受けるのはなんか不思議。

タイトルが、きつねの嫁入り で良いと思うが、天気雨という意味がある通り、どことなく水の動きを想起させるサウンドが多い
・・・洞窟の中の水溜まりに、水が落ちて波紋が広がる情景のような演奏の2曲め
 3曲めは、石に断続的に水が滴り落ちているようなイメージを想起させる
 雨があがりかけ、陽射しがうっすらと出てきている情景を思い浮かべる6曲め

最後の2曲が結構そっけなく終わるイメージで、これも狐にばかされてる感覚を想起させてるかも。

静謐でありながらほんのりと躍動感を感じる演奏は、上述の"天気雨"がテーマだとすると絶妙かつ巧妙にそれを表現していると感嘆するばかりです。

こういう演奏なんでベストはあえて挙げないことにします。どこを切り取っても不思議な魅力に満ちているということで..


THE MODERN TRIO "FOX WEDDING"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00XPJADPK/)

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