宮川純 "The Way"

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宮川純という若手ピアニストのリーダー作です。リリース前にそこそこ話題になっていたことと、共演者が彼は凄いと言っていたという風の噂(ネット上)と、石若さんが入ってるってことで、買いを決めています。
これが3枚目のリーダー作ですが、これまでが、井上陽介、大坂昌彦とのトリオを中心としたメンツだったので、本作が細かいところまで本人の表現したいことが出せている作品ではないかと勘ぐっています。

というメンツは以下の通りで、レギュラーグループに黒田さんが客演している構成とのこと。
リーダーの宮川さん(1987生)、ギターの荻原さん(1976生)はきっと初聴き。
ベースの坂崎さん(1980生)は西山瞳さんのトリオ"Parallax"で聴いてます。
 "Parallax"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56770618.html)
 "Shift"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62958657.html)
石若さん(1992生)は、このblogでの登場頻度は凄いと思います。
 "Live at The Body & Soul"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61999075.html)
黒田さんの話題作もちゃんと聴いてます。
 "Rising Son"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62514297.html)
宮川純(P,Rhodes)、荻原亮(G)、坂崎拓也(B)、石若駿(Ds)
黒田卓也(Tp:1,2,*)

演奏曲は、下記9曲。5曲目がトラディショナルで、他は宮川さんのオリジナルです。

01. Introduction
02. The Way
03. JB's Poem
04. Pulse
05. The Water Is Wide
06. Automata
07. Glossy
08. The Gold Bug
09. Just A Moment

16ビートの煽るようなリズムにのって、黒田さんが朗々とトランペットを吹き鳴らすイントロから、落ち着いた雰囲気の8ビートの2曲目へ。
TpとGのユニゾンで奏でるテーマから、黒田さん、宮川さん、荻原さんへとソロを回す。
ゆったりとしたテンポの曲だが、良い感じにテンションが上がる曲と演奏で心地よい。

以降も非4ビートでありながらあまり先鋭的ではない曲調の曲が並び、Robert Glasperを筆頭とする昨今の米国のジャズの流行のようなサウンドを感じさせつつ、あまり黒さは感じないところはある種のオリジナル性をも感じさせる。
曲のテンポ、拍をあまり気にしないで、リズムを作り出していく石若さんのドラムに圧倒されつつ、ピアノとギターのユニゾン、掛け合いで奏でられるテーマが、これまた印象的に響く。

宮川さんは、1曲目でRhodesを、2曲目では生ピ・・・と、電気音、生音を曲の雰囲気によって使い分け、あまり汗臭さを感じさせないクールにおしゃれな雰囲気を醸し出すような演奏。
前評判にもあったが、音使いには多少なりともRobert Glasperの影響を感じさせるのは、昨今のジャズを研究していれば当然の帰結でしょう。
荻原さんのギターは、ソリッドのタイプをエフェクトをあまりかけてないかな?と思わせる、細めでストレートな音色。ロックぽい音色なのかもしれないが、この曲調、演奏には良い感じに馴染んでいる。

8曲目が、donald fagenの"I.G.Y."を彷彿とさせる曲なんですが、これを聴いて宮川さんの好みがこの辺にあり、この辺の雰囲気を、様々な濃度で、曲に、曲調に、アレンジに滲みださせているんだろうなと気づきました。

と、いろいろ書きますが、まぁ、しかし何といっても石若駿に尽きるんじゃないかと...。最後の曲の最後の乱れ打ちは一聴に値すると思います。
もっとも、最近の個人的石若洗脳度合いは尋常ならざるものがあるのも事実ですが...(汗)


と、最後の曲の後に隠れトラックがあります。これが黒田さんが入っての格好良い曲で、どうしてボーナストラックなの?って感じの良曲で..

ベストは、隠れトラックいれると12分になりますが、この最後の曲にします。


宮川純 "The Way"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00WWGWHWY)

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