Tigran Hamasyan "Luys I Luso"

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Tigran Hamasyanの新作は、ECMからのリリースです。
少し話題になった"Shadow Theater"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62439927.html)から立て続けに3作を連続して購入して聴いています。
いろいろと話題になってるんで、見逃せないなと言うことで買いを決めています。
ちなみに前作は、今年リリースの"Mockroot"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63118696.html)。
本作がECMという(ミュージシャンとして機会を逃せない)特別篇というのもあるでしょうが、立て続けのリリースは意欲の表れと認識しています。

本作は、コーラスとの共演ということになります。楽器はTigran Hamasyanのピアノだけのようです。
Tigran Hamasyan(P)、Yerevan State Chamber Choir

演奏曲は、アルメニアの5世紀から20世紀の賛美歌、聖歌などらしいです。
ライナーには、アルメニア語と英語の表記が併記され、曲によっては作成年の記述も..。
さらに、歌詞も書いてあるんですが、アルメニア語でした。
01. Ov Zarmanali
02. Ankanim Araji Qo
03. Ov Zarmanali - Var. 1
04. Hayrapetakan Maghterg
05. Bazum En Qo Gtutyunqd
06. Nor Tsaghik
07. Hayrapetakan Maghterg - Var. 1
08. Hayrapetakan Maghterg - Var. 2
09. Havoun Havoun
10. Voghormea Indz Astvats
11. Sirt Im Sasani
12. Surb Astvats
13. Sirt Im Sasani - Var. 1
14. Orhnyal E Astvats


アルメニアの中東なフレーズと、宗教音楽の荘厳な響きとが重層的に織りなす重厚感のあるサウンドが、ピアノと、女声、男声のコーラスとで繰り広げられる。

が、古い音楽と言う印象は希薄で、どちらかと言うと現代音楽な雰囲気を感じさせる。

本当は一曲一曲が独立した楽曲のようだが、全体が組曲のように連続しているように聴こえ、もの凄い大作然とした雰囲気すら感じさせる。
この辺がTigran Hamasyanのアレンジの妙だったりするのかもしれません。

正直なところジャズの要素はほとんど感じられず、強いて言えばピアノとコーラスの掛け合いが、ぽいかな?と聴ける部分はあるが、ピアノもほとんど即興ではない感じだし、無理にジャズを探すもんでもないでしょう。
Tigran Hamasyanが、もう少しジャジーな展開とかしてくれてても良いようにも思うが、それをやると全体の荘厳な雰囲気を崩すことにもなりそうで難しいところです。

Tigran Hamasyanの前作、前々作で、ピアニストTigran Hamasyanを聴くアルバムではなく、コンポーザーTigran Hamasyanを聴くアルバムというようなコメントを入れていますが、本作も同様の印象です。
演奏者としての表現よりも、音楽を作り上げるほうに力点を置いていることがよく判ります。

と言うことで、個人的にはこのアルバムを曲単位で聴くイメージではないので、曲単位のベストは決めません。


Tigran Hamasyan "Luys I Luso"(http://www.amazon.co.jp/dp/B012EJBSNC/)

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