Yaron Herman "Everyday"

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Yaron Hermanの新作は、ドラムとのデュオです。
前作はACTレーベルでこの盤がBlueNote Franceレーベルからのリリースなので、ここでしっかりとメジャーデビューしたといえるんでしょう。(称賛)
この人のアルバムも、結果的にかもしれないが、積極的に買っているつもりですが、たぶん馴れ初めは"Variations"が極安価でリリース(http://www.hmv.co.jp/product/detail/3503009)され、その価格に釣られたんだと思いますw

紹介記事は以下の通り
 "a time for everything"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a51245527.html)
 "Variations Piano Solo"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a56902172.html)
 "MUSE"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a57992860.html)
 "Follow The White Rabbit"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60174189.html)
 "Alter Ego"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61695247.html)

彼のサイト(http://www.yaronherman.com/discography/)を見ると極初期の1枚は持ってなさそうですが、澤野からも出ていたSketchレーベルなんですね。  知らなかった..。
当時、sketchレーベルはそこそこ購入していたので持ってたりして..(汗)

メンツは、Yaron HermanのピアノにZiv Ravitzのベースが基本構成で、これにゲストボーカルが入ります。
Yaron Herman(P,Vo:13)、Ziv Ravitz(Ds,Vo:8)、Helgi Jonsson(Vo:8)、Jean-Pierre Taieb(Vo:13)

演奏曲は、オリジナルが6曲、共作が4曲、他人の曲が、ScriabinとJames Blakeの2曲という構成。
1 Fast Life
2 Vista
3 Points Of You
4 Nettish
5 With Open Hands
6 Everyday
7 Five Trees
8 Volcano (feat.Helgi Jonsson)
9 Prelude No4 Opus 74
10 Children Don't Always Play Fair
11 Retrograde
12 City Lights
13 18:26


ピアノのきらびやかな旋律から、美麗な旋律をソロで奏でる1曲め。
ドラムが入り、ゆったりめな8ビートにのって、小声で歌いながら気持ち良くピアノを演奏している2曲め。
ちょっとファニーな旋律から徐々にテンポが上がり小刻みなフレーズがリズミカルにノリの良さを醸す3曲め。
メカニカルなフレーズに、絶妙に合ってるような、合っていないようなドラムとの掛け合いが面白い4曲め。
5曲めが、訥々としたピアノのごくごく短い一節で、これがインターバル的役割か。
6曲めで突然中東なフレーズが出てきてビビるが、Yaron Hermanがイスラエル出身であることをあらためて認識します。
7曲めで、美旋律のちょっとKeith jarrettを彷彿とさせるピアノソロを挟み、

8曲めからは、共作、他人の曲になる。
8曲めが最近のロックを聴いてると出てきそうな、男女のボーカル入りの曲
9曲めが現代音楽臭の強い曲だと思ったらスクリャービンの曲でした。
激しいリズムが強烈に印象的ながら、その上で鳴る子供用ピアノの音が鮮烈でタイトルも秀逸な10曲め。
11曲めは、元曲も結構訥々としてるが、より空間を開けて演奏されるJames Blakeの曲。

12曲めは、右手と左手の役割分担がちょこちょこ入れ替わる、リフではBrad Mehldauが好きそうなフレーズを多用しているか。
右手の小刻みに刻むリズムに左手の大仰なフレーズがドラマチックな演奏を盛り立てる13曲め。


ベースがいない分ピアノの左手の存在感が強くなるが、Yaron Hermanは、左手での演奏が見事に良く歌い、この左手の演奏を聴かせるためにベーシストを起用しなかったんじゃないかと勘ぐるくらい。
4分前後の曲に、2分弱の曲を挟み込むような曲構成で、1曲1曲をじっくりと聴かせるというよりは、次から次へと情景を変えていくような構成とあいまって、ピアノのピアニストの表情、表現の豊かさをたっぷりと堪能出来ます。

曲としての主旋律がしっかりしているイメージが希薄な曲が多めでリズム、ビートがそのまま旋律然としているようなイメージの曲が多い印象。
こんな曲調が多いので、ちょっと幻想的な、雰囲気も感じられるか。
これまでの作品に比べても、個性がしっかりしたアルバムにはなっていると思います。

ベストは、最後の曲でしょう。


Yaron Herman "Everyday"(http://www.amazon.co.jp/dp/B010MXBFW6/)

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