本田竹曠 "In A Sentimental Mood"

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本田竹曠の弾くスタンダード集で2枚同時発売されたうちの1枚らしい。1985年リリースの作品。
もう1枚は下記。
 "My Funny Valentine"(http://www.amazon.co.jp/dp/B000K7KKR6/)

本田竹曠さんの演奏を聴くのはこれが4枚め。
この盤は中古店を漁っていて目についたので手に取った1枚。良い曲が揃っているなと思ったので買ったもので本田竹曠さんのアルバムのなかで、どの辺に位置づけられるとかあまり調べず買ってます。
 調査できる先は知ってます。 http://jazz-honda.deci.jp/discography2.html

そんなんなんで、本田竹曠さんの演奏の真骨頂を知っているとはとても言えないわけではありますが、とはいえ聴かないと真骨頂にたどり着かないわけで、この盤も本田体験の増強のために聴いているってことにしときます。
 "Earthian Air"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62161978.html)
 "I Love You"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62121753.html)
 "紀尾井ホール ピアノリサイタル"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62613007.html)

メンツは、泣く子も黙ると言っていいでしょう。
本田竹曠(P)、井野信義(B)、森山威男(Ds)

演奏曲はスタンダード集ということで有名曲が並びますが、本田竹曠というとスタンダードってイメージもあるようなので良い演奏が期待できるということになるようです。
01. Mr.P.C.
02. Misty
03. Night In Tunisia
04. Body and Soul
05. Autumn Leaves
06. Once I Loved
07. In a Sentimental Mood
08. Everything Happens To Me

1曲め、Mr.P.C.。 ちょっと早いテンポでテーマを弾ききると、その速度のまま一気呵成に怒涛のソロになだれ込み、テーマと同じ速さのまま右手で鍵盤を叩き続ける
2曲めがMisty。大概の演奏が、メロディの美しさを極力損なわないよう、もの凄く繊細な演奏をするところ、前曲と同様の豪胆さで
前後の曲に比べれば充分に繊細と言えそうだが、他の人の演奏に比べれば、まだまだダイナミックに…演奏をしていると
3曲め、A Night In Tunisia。この曲が本田さんのサウンド、タッチと曲の雰囲気が一番合致しているんじゃないかと感じられる。
これもテーマからソロへと一気呵成に弾ききる演奏で圧倒される。
4曲め、Body & Soul。スローテンポで演奏され、本田さんのタッチの強さが思い入れたっぷりに響く見事な演奏。
5曲め、Autumn Leaves。とてもヒラヒラと舞い散るようには聴こえないフィジカルな枯葉で強打鍵で攻めまくる。
6曲め。Once I Loved。美旋律のイントロから、曲調にあわせたあまり強いタッチを使わないテーマとしっとりと進行するが、後半のソロでは本田らしさが聴ける。
7曲め。In a Sentimental Mood。ベースのアルコ弾きでしっとりとしたテーマから、印象的なピアノのソロへとなだれ込む。
8曲め。Everything Happens To Me。思い入れたっぷりに弾かれるテーマからの見事なソロ。

スタンダード集ということで有名曲が並ぶ。基本的に原曲のテーマは崩さずしっかりと弾ききり、そこからアドリブへとなだれ込み、その後ドラム、ベースのソロを経てエンディングのテーマというスタイルはどの曲もほぼ不変。
名曲をほぼ同じ構成で演奏し、さらに本田さんのピアノの個性はいずれの曲でも際立つが、それぞれの曲調にあわせて絶妙に雰囲気を変えた演奏を仕掛けているので、それぞれの曲の印象はしっかり曲に寄り添う感じで、この辺が表現力の巧みさを感じさせます。
このアルバムはスローな曲が多めの構成で、本田竹曠さんの本領であろうガツガツと強打鍵で早いフレーズを弾ききるような場面は希薄であるが、このスローな演奏を豪胆さと抑制とを絶妙に入り交ぜた演奏は、実は全然侮れないなと感じ入る次第であります。

ベストは4曲めのBody & Soulかと..。


本田竹曠 "In A Sentimental Mood"(http://www.amazon.co.jp/dp/B000K7KKRG/)

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