Lionel Loueke "Gaia"

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Lionel Louekeの新作は、完全なギタートリオ作です。
過去聴いているのは下記2枚と、初リーダー作の"In a Trance"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63060917.html)で、初リーダー作はおいといて、4人以上での演奏でアフリカ色の濃い演奏が過多で個人的にはちょっと..というのが正直なところ。
Richard Bonaも、よりコンテンポラリーにベースサウンドを追及していたら現状とは違った展開が期待てきただろうにとちょっと残念に思いつつ、近作は買う気が起きていません。
この人にも同様に、これまでの流れだと個人的嗜好からは買わなくなるなぁとか考えつつ、本作も買っているので、多少なりともいまだに期待感は持っているということで...
 "Mwaliko"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59681002.html)
 "Heritage"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61570527.html)

メンツは、純粋ギタートリオ構成ってことで、下記3人だけ。とはいえベースもドラムも知った名前ではありません。
Lionel Loueke(Vo,G)、Massimo Biolcati(B)、Ferenc Nemeth(Ds)

演奏曲は、下記12曲。最後の曲がThe Bee Geesという布陣。
01. Broken
02. Sleepless Night
03. Sources Of Love
04. Wacko Loco
05. Aziza Dance
06. Rain Wash
07. Forgiveness
08. Even Teens
09. Gaia
10. Veuve Malienee
11. Procession
12. How Deep Is Your Love?

Wayne krantzに代表されるようなロック色の濃いギターインストの演奏というのが第一印象。
ただし、Lionel Louekeのギターの音色が変幻自在で、曲ごとはおろか、曲によってはフレーズごとでも変化させてきて、それに合わせて演奏スタイルも変化させと、その雰囲気の変わりようが面白い。

曰く
いかにもなギターシンセサウンド、
ジョンスコを彷彿とさせる2音同時に出しつつ少しアウトするフレーズ、
アコギでアルペジオを美しく奏で、
正調ジャズギタースタイルでの演奏、
カリンバのようなピンピン跳ねるような音色、
ピアニカのようなノンビブラートなサウンド、
チョーキングを絡めたロック調早弾きな演奏、
ディストーションをかけて歪ませた音でのハードなロック調、
あとは誰それが演りそうな音色とフレーズとか…

このアルバムは、少人数の聴衆を入れたほぼライブと同じ状況で行った録音らしいですが、曲と曲の間はセッティング変更等々相応に時間をとつているとは思うが、曲中とかはそうもいかないはずで、そう考えると、よくぞここまで素早く音色を変えられるもんかと思うくらい変幻自在なギターを聴かせる。

ベースは、たぶんアコベ、エレベを使い分けて変化は持たせているが、基本はギターが主役になるのであまり派手な演奏は繰り出さず。
ドラムは、演奏に良いアクセントをつけるように、しっかり主張を持ったドラミングを仕掛ける。

と、様々な演奏を聴かせるがその割にはあまり散漫なイメージにはならず、アルバム1枚を一貫した気分で聴き通させるマジック。
これまでのアフリカ偏重な作風から脱却し、過剰に多彩な表情を見せた演奏は個人的には高く評価したいところであります。

ベストは、4曲めでしょうか。


Lionel Loueke "Gaia"(http://www.amazon.co.jp/dp/B014HFNKYQ/)

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