Enrico Pieranunzi "Proximity"

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Enrico Pieranunziの新作ですが、この盤と同時期にトリオ作2つが出てまして、一般的にはトリオ作のほうに食指が動くと思いますが、個人的には、トリオは"もういいや"ってのと、この盤のメンツの良さもあって、こっちを買って2つのトリオ作はスルーしています。
スルーしているトリオ作は下記2つ。こちらも実はメンツ良いんですが全部買ってるときりがないってのもあって見て見ぬふりをしたってことにしておいてください。
 "Tales from the Unexpected"(http://www.amazon.co.jp/dp/B015LHDP8K/)
 "60 OUT OF SHAPE"(http://www.amazon.co.jp/dp/B0158KTTXK/)
ちなみに、
前者は、Marc Johnson(B)、Joey Baron(Ds)
後者は、Jesper Lundgaard(B)、 Alex Riel(Ds)

で、この盤のメンツは以下の通り。ドラムレスですが、Ralph Alessi, Donny McCaslin, Matt Penmanなんで文句なしです。
このメンツでEnrico Pieranunziじゃないピアニストだと、想像つく組み合わせってのもありそうですが、Enrico Pieranunziで、このメンツでドラムレスでどんなサウンドが出てくるかは、非常に興味深いところです。
Enrico Pieranunzi(P)、Ralph Alessi(Tp,Cor,Flh)、Donny McCaslin(Ts,Ss)、Matt Penman(B)

演奏曲は、すべてEnrico Pieranunziのオリジナルで全部で8曲。
01. (In) Canto
02. Line For Lee
03. Sundays
04. Simul
05. No-Nonsense
06. Proximity
07. Within The House Of Night
08. Five People lus Five

落ち着いた雰囲気を醸し出した2管のアンサンブルを静かに見守るようにピアノとベースが伴奏をつける。
曲調が曲調でドラムがいないので全体の響きは端正なものに終始し、訥々とといっても過言でない2管の掛け合いが、まるで童話とかおとぎ話の中の音がのように響く。

Donny McCaslinが、普段の演奏からは考えられないくらいとても丁寧に音を紡ぎ、Ralph Alessiもあまり力を込めない軽やかなフレーズを奏で、この2人の織りなす音の重奏感の心地良さ。

Enrico Pieranunziは、ちょっとだけ弦を直接爪弾いて不協音を出す場面もあるが、基本は管の伴奏に徹してコードを弾いている場面が大半。
ソロでは実にリリカルなフレーズを奏でる。

主役はフロントの2管になると思うが、そこをしっかりまとめ上げているのはピアノとベースでしょう。
とはいえ、フロントの2管が好き勝手やっているわけではないのは前述の通り。
各人が各人の役割を分かったうえでの見事なまとまりがある前提での役割分担ではあります。

ベストは、5曲めでしょう。


Enrico Pieranunzi "Proximity"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00YXFBSVI/)

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