Nouon "Kuu"

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渋さ知らズで演奏している山田あずささんが在籍するバンドの新作です。(個人的にはそういう位置づけです。)
生Vibraphoneを聴いているのは、最近では彼女と、国立音大の New Tide Orchestraの渡邉まやさんくらいか..。
大所帯バンドでのVibraphoneの存在感ってのは、実は結構なものがありまして、侮れません。
先日の、ライブのときに新譜が出ている情報を知りまして...。
 http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61629595.html
 http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63469265.html

メンバーは、異色の楽器編成+多国籍ユニットで、Kevin McHughさんがアメリカ人で、Huw Lloydさんがイギリス人。
元々は、山田さんとKevin McHughさんの2人での活動があって、そこにHuw Lloydさんと山本淳平が加わって、4人のバンドができたようです。
Azusa Yamada(Vib)、Kevin McHugh(Fender Rhodes)、Huw Lloyd(Contrabass Clarinet)、Junpei Yamamoto(Ds)

演奏曲は、すべてメンバーオリジナルで、Kevin McHugh5曲、山田さん3曲という構成。
1. Young (Kevin McHugh)
02. Tsuyu (Kevin McHugh)
03. Come To My Inner Child (Azusa Yamada)
04. Kuu (Kevin McHugh)
05. Conditioned Response (Azusa Yamada)
06. Lip Service (Kevin McHugh)
07. Average (Azusa Yamada
08. Showcase (Kevin McHugh)
※2015年7月 echo and cloud studio にて録音


大半の曲が、牧歌的とでも言いたいような、軽いビートのちょっとミニマルな優しい曲調のもので、いくつかの曲ではドラムがもう少し前面に出てきて、よりポップな曲調のものが紛れ込む。

VibraphoneとFender Rhodesが織りなすとても柔らかく幻想的とも言えるようなサウンドが鳴り響く中、ほとんどバリバリバリッと擬音を使いたくなるような、迫力の低音が鳴り響く。
この低音を鳴らしているのが、Contrabass Clarinetって楽器で、その大きさはnouonのHP(http://nouon.net/index.html)で確認してもらいたいが、普段聴いている音楽ではほとんど聴くことができないようなサウンドを聴くことができる。
低音楽器というと、吉田隆一さんのバリサク(Baritone Saxophone)でも結構な低音が聴けるが、たぶんこっちのほうが太く迫力のある低音が聴けると思う。
迫力の低音と書いているが、音色としては柔らかい部類になると思うので、そう構えずに聴いても大丈夫。

サウンドの要はVibraphoneでしょう。ドラムのパルシブな打音とContrabass Clarinet、Fender Rhodesの音色の違いを微妙に親和させつつ、ごく柔らかい音色で印象的なフレーズを繰り出す。

でもって、この異色の楽器の組み合わせが醸し出すサウンドが妙にしっとりと気持ちよい。
曲調がちょっとポップでちょっと牧歌的でほんのちょっとフリーなところに、全体にソフトムードの音色が、癒しとは言わないが見事に心地良い雰囲気を醸し出していて、一聴に値する作品になっていると思います。
聴けて良かった。


ベストは3曲目ですかねぇ。

Nouon "Kuu"(http://www.amazon.co.jp/dp/B016DJUHXQ/)

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