Jon Irabagon "Behind the Sky"

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Jon Irabagonの2015年9月リリースの新作で、リリース時から存在は知っていたんですが、通販サイトでは¥3,000超と値段が全然こなれず購入を躊躇していたもの。
年末のベスト大会で某所でこの盤が話題になったようで、こうなると聴いてみたい欲求が膨れまして...。
某リアル店でもう少し安価に購入できるのを見つけて、在庫があるうちにといそいそと買いに出かけたものです。
とはいえ、過去にJon Irabagonのリーダー作はこれまで買っておらず、参加作で聴いているだけで、Dave Douglasの3作
 "Brazen Heart"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63510612.html)
 "Time Travel"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61959443.html)
 "Be Still"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61582005.html)
と、最近気になっているRudy Roystonのリーダー作
 "303"http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62488479.html

メンツは、Rudy Roystonのリーダー作に近く、ピアノがSam HarrisからLuis Perdomoに代わって、ゲストにTom Harrellが3曲入ってますが、ジャケ下に"Featuring Tom Harrell"と記載するほどに客演に拘っていたよう。
Jon Irabagon(Ts, Ss)、Luis Perdomo(P)、Yasushi Nakamura(B)、Rudy Royston(Ds)
Tom Harrell(Tp, Flh:4,5,9)

演奏曲は、すべてJon Irabagonのオリジナルの11曲。
01. One Wish
02. The Cost of Modern Living
03. Music Box Song (For When We're Apart)
04. Still Water
05. Obelisk
06. Sprites
07. Lost Ship At the Edge of the Sea
08. Mr. Dazzler
09. Eternal Springs
10. 100 Summers
11. Behind the Sky (Hawks and Sparrows)

ビブラートしない無骨なサックスのサウンドが、全体を無機的な雰囲気にいざなう。
特に7曲めが、ほぼピアノソロの上で、ソプラノサックスが即興を繰り広げ、10曲めはさざ波のようなピアノをバックにスピリチュアルなテナーサックスソロと、ちょっと Wayne Shorter を彷彿とさせる感じがあるか。

美旋律と言うより美音色で、エレガントに演奏に斬り込んで存在感を示すピアノ。特にソロは随処で良い味出してます。
相変わらず、細いフレーズを刻み込んで演奏の雰囲気を作っていく のドラム。
2曲めのラテン調、6曲めの4ビート、11曲めの8ビートと、ノリの良い曲での演奏が個人的には白眉。
3曲で客演するTom Harrellとの掛け合いも格好良いが、最後の曲で二重録音での自身との掛け合いもなかなかの聴きどころ。

曲毎にも緩急をつけて様々な表現を見せて飽きさせない構成もなかなか秀逸と言えるか。
web上のアルバム紹介を見ると、これまでの作品はフリーに近かったりクセがあったりととっつきの悪いものが多かったようで、本作は彼の作品の中では、オーソドックスな方面に寄った作風になるとのこと。
たしかに試聴を聴くと、Sonny Rollinsバリにごりごり吹きまくる曲とちょっと難解めな曲が多そうな雰囲気。
という意味では、本作は少し聴き手側のハードルを下げた作品になるが、それがTom Harrellを迎えた影響か!?

ベストは、6曲めでしょう


Jon Irabagon "Behind the Sky"(http://www.amazon.co.jp/dp/B015EOJPV6/)

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