"究極のオーディオチェックCD2016" スガダイロー/東保光/池澤龍作

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ステレオ誌の2月号の付録についてくるCDですが、スガダイロー、東保光、池澤龍作の3者の演奏が入っているので買いこんできました。
以前、Audio Basic誌で、同様の企画で、板橋文夫さんのソロピアノ集というのがありました。
 "ジャズピアノ入門"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58548403.html)

探すと他にも同様のディスクがあったのかもしれません。

ということで、本作の目当ては下記3人の演奏ということになります。
実際には全部で28トラック入っていまして、ハープの演奏、鉄道の生録音、チェック信号音などが入ってます。
ジャズ的には冒頭の11トラックが対象です。あ、向谷実さんが録音した(鉄道の生録音って)のが2トラック入っていましたw
スガダイロー(P)、東保光(B)、池澤龍作(Ds)

ピアノソロ、ベースソロ、ドラムソロ、デュオ、トリオでの演奏が11種入っていまして詳細は以下の通り。
1.ピアノソロ
2.ピアノソロ
3.ピアノソロ
4.ピアノソロ
5.ベースソロ
6.ベースソロ
7.ピアノ,ベースデュオ
8.ドラムソロ
9.ピアノソロ
10.ピアノソロ
11.ピアノソロ

左手の一打から右手の数音というパターンが続き、水が滴るさまを彷彿とさせる1曲め。
低音のドロドロした響きに高音部でピロピロっとモチーフを入れこむ2曲めは、とても短いもの。
低音から高音へと、細かいフレーズを叩き出し続ける3曲め。こういう演奏がないとダイローさんらしくない。
同じ音をもの凄い勢いで叩き続け、そこから音程を変えて表情を広げてゆく4曲め。
ここまでが、ピアノソロ。

次からがベースソロで2曲
アルコで低音の響きをたっぷりと聴かせ、そのまま徐々に音程を上げ高音部での擦過音になだれ込む5曲め。
弦を指ではじいて音を出しているが、その弾きかたの違いで出てくる音がさまざまに変化しその表現の多彩さが楽しい6曲め。

次は、ピアノとベースのデュオ。
少しだけリズム感を持たせたフレーズでのベースとピアノの交歓が心地良くもあり、緊張感をも感じさせる。ピアノもベースも打楽器だなぁと思わせる演奏。

続いてドラムソロ
間隔広めの打音から徐々に間隔を詰め音数を増やしていく展開の低音高音入り乱れのみだれ打ちの2分間。

ピアノトリオも特に曲を演奏するわけではなく3者のインプロに終始する。
同じ音の連打を根底に置いて、早めのテンポで一気に突っ走るような9曲め。
ベースの持続音から、ピアノがカーンと音を割り込ますイントロから、太鼓のパルス音に導かれるピアノの大仰なエンディングの10曲め。
ちょっとファニーなピアノのフレーズを基調としながら、裏ではドラムが結構過激な演奏をしていたり、一筋縄ではいかない11曲め。

ピアノの入るパートでは随所にダイロー節と言えるフレーズが織り込まれ、好きな人には結構な聴き応えを享受してくれる30分程度の演奏。

オーディオ雑誌のサウンドチェックディスクなので、音楽を楽しませる以上にさまざまな音(音色、音触)を出すという目的を持っていることは容易に想像できるが、それでもフリージャズを楽しめる耳には充分楽しい演奏でした。

こんなんなんで、ベストは決めないことにします。
2月号は1/20に出たものなので、3月号が出る前(2/19)までは、本屋さんで買えると思います。


スガダイロー/東保光/池澤龍作 "究極のオーディオチェックCD2016"(http://www.ongakunotomo.co.jp/magazine/stereo/)

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