Petros Klampanis "Minor Dispute"

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Petros Klampanisというベーシストのリーダー作ですが、これはGilad Hekselman、Jean-Michel Pilcの純然たるメンツ買い。
Petros Klampanisはギリシャ人で、これがたぶん2枚目のリーダー作。

そのメンツは以下の通り、John Hadfieldというドラマーも知らない人ですが、それにつけてもGilad Hekselman、Jean-Michel Pilcの両名の名前が輝いています。
そして、弦楽器が6人クレジットされています。
1枚め(http://www.amazon.co.jp/dp/B004XD06HM/)は、Gretchen Parlatoが1曲参加していたようだが、こちらもこの盤同様に弦楽器が相応数入った構成でのアルバムだったようです。

Petros Klampanis(B,Vo:1,5,P:3,7)、Gilad Hekselman(G)、Jean-Michel Pilc(P:1,2,3,5)、John Hadfield(Ds)
Maria Manousaki(Vln)、Megan Gould(Vln)、Lev Zhurbin(Viola)、Matt Sinno(Viola)、Yoed Nir(Cello)、Colin Stokes(Cello)

演奏曲は、4曲目がGilad Hekselman、6曲目がTom Jobim、7曲目がギリシャのトラディショナルで、他がPetros Klampanisのオリジナル。
1 Minor Dispute
2 Monkey Business
3 Lily's Promenade
4 March of the Sad Ones
5 Ferry Frenzy
6 Luiza
7 Thalassaki

1曲め。ピアノの左手のコード弾きに右のピロロンという合いの手の入る伴奏(が、なんかPilcらしい)から、弦楽器が鳴るとベースドラムがおもむろに絡みピアノのテーマにつながる。
中東の旋律の影響をそこはかとなく感じさせる旋律は、ギリシャの場所を考えるとまぁ納得できる影響範囲か。
中ほどは強タッチのベースを伴奏にGilad Hekselmanのソロがガツんと入ってきて、ここが格好良くも最高に気持ちよい。

2曲めまで中東色を感じさせるテーマを持った曲で、3~5曲めまでは中東色希薄なコンテンポラリ調の曲で。
テンポは疾走感とはならないゆったりめなところで、弦楽器によるバッキングを効果的に利用し音の厚みをだしたアレンジは、Bad Plus、Esbjorn Svensson Trioから始まったピアノトリオの進化形に影響を受けたものといえるでしょう。
今後、いろいろな楽器編成でもいろいろなアレンジのアイデアを駆使した作品がが増えてくると予感させます。

全体的に、曲調は少々内省的で重めな雰囲気は感じるが、テーマは全然難解な旋律ではないし拍も基本的に一定しているので聴いていて"わからねー"となることはないと思います。
ただ、全体にわたって弦楽器が結構しっかりと入ってくるのでジャズの雰囲気に現代音楽っぽい雰囲気がそこはかとなく紛れてくるのは多少の馴れが必要かも。
もっとも、Tigran Hamasyanも、Pat Methenyも、Maria Schneiderも、挾間美帆も聴いている耳にはあまり違和感は感じていないことも事実ではありますが..。
 "Mockroot"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63118696.html)
 "Hommage A Eberhard Weber"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63433516.html)
 "The Thompson Fields"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63266151.html)
 "Time River"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63486002.html)
 

ベストは5曲めにします。

Petros Klampanis "Minor Dispute"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00V6VZ80O/)

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