Hiroshi Minami "Message For Parliena"

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南博のデビュー盤はレアディスクとして有名なもので、中古で出ても5,000~10,000と相当な値段がついていますが、ちゃんと売れているようで店頭で見ることはあまりありません。
本人のhp(http://minamihiroshi.com/)にも情報を載せていないほどのレア盤で、ご本人も所有していないようです。(以前、ライブのとき本人から伺った情報)
オーストリアのEXTRAPLATTEというレーベルから1992年に出たものです。

もちろん当時買ったわけでなく、また高値安定の中古を買えるでなく..。お借りして聴いている次第であります。
南さんの他のアルバムの大半は買っている(Kasper Tranbergと演ってるのは未所有)ので、本当は所有したいところではありますが..。
という近作と、国内初アルバムは以下の通り。
The Modern Trio名義で2枚
 "Fox Wedding"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63347042.html)
 "Behind The Inside"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62205850.html)

Hiroshi Minami Trio名義で3枚
 "Body & Soul"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60753730.html)
 "Like Someone In Love"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53426957.html)
 "Girl Next Door"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59330932.html)

国内デビュー盤
 "BIRD in BERLIN"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a57011326.html)

メンツは、以下の通り。ベースのDan Greenspanはこれまで聴いたことない人ですが、ネットを探すと最近はMili Bermejoという歌手と"Art Of DUO"と言う活動を今もしているようです。
ドラムのJim Blackは、Uri Caine、Tim Berneとの活動が知られている人で、1967生のようなので25歳くらいのときの演奏ってことになります。
それだけで興味持つ人もいそうですねぇ
南博(P)、Dan Greenspan(B)、Jim Black(Ds)

演奏曲は以下の通り。オリジナルにお馴染みの曲を混ぜているような構成。
1 Pure Moment
2 Merry Christmass Mr. Lawrence
3 Rain
4 Shinonome ( At Dawn, A Girl Sings A Lullaby )
5 But Not For Me
6 For "S"
7 Bird In Berlin
8 Someday My Prince Will Come

演奏ですが、南さんらしいピアニズムに溢れた演奏で、近作(といっても、最近 前述の"Body & Soul"は2011年の紹介)で聴ける雰囲気に近いものを感じる。
青白く、しかし力強く燃える炎のような演奏というには赤い炎も見えている感じ、ググッと抑制を効かせた中で、キラりとしたものをちらちらと見せるような、若干熱気を帯びた音数多い演奏になる部分もあるが、全体としては抑制を効かせた渋い演奏という雰囲気は一貫して維持される。

2曲目の坂本龍一の名曲は、ドラムソロから、ごくゆっくりとしたテンポで、ゆったりとテーマを弾き、
キラキラとしたリフを混ぜながらの演奏。
ドラムもベースもリズムを刻まず、ベースは高音域でのリフ、ドラムはシンバル中心の最低限の音数で抑制を利かせる。
ソロ部分はフリー要素が強めになりカオティックな部分も出てくるが、総じてクールで格好良い演奏。
5曲めは、少し早めのテンポでベースもドラムもリズムを刻みノリの良い演奏を見せ、温度感は高めに感じるもどこかに冷徹さを聴いてしまうのは..。
8曲めは南さんにしては打鍵強めの音で軽い雰囲気を持たせつつ、テーマはちょっと崩した演奏。でも雰囲気は良く出ていて、なかなかな好演

ということで、静謐な雰囲気に終始せず、テンポを上げた演奏も聴かせつつではあるが、そこはかとなく漂う抑制感が心地良い演奏。
ピアノ自体は、修業時代からオリジナリティを持った演奏をしていたことがよく判る


ベストは、1曲めでしょうか。

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