スガダイロー "Solo Piano at Velvetsun"

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この作品は、荻窪のライブハウス VelvetSunに置いてあるすでに70年くらい経っているらしいピアノに敬意を表して録音されたアルバムと認識してまして、あまりスガ作品として大々的に売り出そうとはしていないのかも。

なんで、本人、マネージャの手売りと、VelvetSun店頭、通販でしか売られていないニッチな作品です。
(しかも本人持ち歩かない事があるので、自分も一回買えなかったことあり。)
というわけで、先日VelvetSunに伺った際に購入してきました。
さらに"!!"な盤を見つけ、それも入手し、さらにさらに素晴らしいライブ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63597215.html)も見れて、一石二鳥でありました。

このアルバムを入手した直後に渋谷でソロライブを行い、さらに、その前後でもいくつかソロでのライブを演っており、ここ最近はソロでの演奏にこだわりを持っている時期のようなので、本作も気合いの入った演奏が聴けることを期待してます。

近作は、下記2つ。雑誌付録ではソロ演奏を聴くこともできます。
 "究極のオーディオチェックCD2016" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63581939.html)
 "GOLDEN FISH" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63017476.html)

ソロなので、演奏者はダイローさんだけ。
スガダイロー(P)

演奏曲は以下の通り。
断片と題された即興短編と、ちゃんとした?曲が交互に収録されて全部で16トラック分の演奏。

1. 断片1
2. 無題(ペール・ギュント習作1)
3. 断片2
4. 降っても晴れても 作曲:Harold Arlen
5. 断片3
6. Ruby, My Dear 作曲:Thelonious Monk
7. 断片4
8. はとぽっぽ
9. 断片5
10. 無題(ペール・ギュント習作2)
11. 断片6
12. Django 作曲:John Lewis
13. 断片7
14. 再生
15. 断片8
16. 生命の迷路


鍵盤をぶっ叩きまくる演奏スタイルはここでもしっかり健在で、左手でガツンガツンとリズムを刻む打鍵のヘビィさと、(良い意味で)勢いに任せたような主旋律の豪胆さは、ダイローワールド全開でうはうはしてしまいます。
この盤では、普段以上に大量の音符を振りまきながらの圧倒的な演奏を聴かせていると思います。

これまで、ピアノの寿命なんて考えたことは無く、使い方を間違えずしっかりメンテナンスができていれば永久に使えるくらいに思っていたので、もう朽ち果てる寸前のピアノと言われても想像すらできないんですが、多分いろいろなところにガタがきているんでしょう。
それ故か、はたまたお店の広さ(狭さ)も起因しているか判らないですが、あまり綺麗なピアノの響きという感じではないところがあるか。

その老骨ピアノを御してガツンとしたピアノサウンドを引きづり出しているもの凄さ。
しかし、そう考えるとピアノに相当無理させてるんだろうなぁ、でもそれがピアノ冥利に尽きてるんだろうなとか、いろいろ考えてしまうのは考えすぎでしょう

断片と題されたトラックは大半がモチーフという程度のものだが、こっちの方がピアノのポテンシャルをあるベクトルに限定して引き出そうという意識を感じる演奏で、聴き応えはあるか。

とはいえ、ベストはちゃんとした曲の4曲めでしょう


スガダイロー "Solo Piano at Velvetsun"(http://velvetsun.shop-pro.jp/?pid=96112110)