Jeremy Pelt "#Jiveculture"
"Tales Musing & Other Reveries"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63111583.html)
その前が2管に大所帯の
"Face Forward, Jeremy"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62476876.html)
毎年この時期にきっちり新作をリリースしているJeremy Peltの新作。自blogでも2010年までさかのぼれます。
2013年"Water & Earth"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61795504.html)
2012年"Soul"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61170001.html)
2011年"Talented Mr Pelt"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60373451.html)
2010年"Men Of Honor"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59167299.html)
本作は、シンプルにワンホーンカルテットとなっていますが、メンツが凄い。
Ron Carter、Billy Drummondという大御所をバックに、1975年頃生の2人がフロントを務めるという布陣。
Jeremy Pelt(Tp)、Danny Grissett(P)、Ron Carter(B)、Billy Drummond(Ds)、Lisette Santiago(Per:6)
演奏曲は、Jeremy Peltのオリジナルが5曲、Ron Carterが1曲、スタンダード2曲という構成。
ジャケ裏の表記は、1~4曲目がPartI、5~8曲目がPartIIと表記されている。
1. Baswald’s Place
2. Einbahnstrasse
3. Dream Dancing
4. A Love Like Ours
5. The Haunting
6. Rhapsody
7. Akua
8. Desire
冒頭から、Jeremy peltの軽快なサウンドが飛び出す。リズムは4ビートで、まっとうなハードバップと言えるサウンド。
2曲めも明るいテーマを持った4ビート曲で、Ron carterのウォーキングもBilly Drummondのレガートも冴えた演奏。
3曲めは少しテンポを落とした曲で、Jeremy peltの朗々としたトランペットの音が心地良い。
4曲めが、典型的なバラード演奏。
この後からビートがしっかり刻まれなくなり、現代ジャズな色合いが濃くなる。
'60年代後半のマイルスクインテットをクールにしたようなイメージの5曲め、
6曲めはリズムを単調にしてクールなグルーブ感を漂わせたような演奏
ミュートを付けたトランペットで都会的にクールなバラード 7曲め
8曲めで少し陽性要素が入り込むが、テーマ後のピアノソロに徐々にドラムが強めに絡んでくるところの格好良さとその後のトランペットソロの流れるようなフレーズがなんとも心地よい。
と、後半は「クール」という語を多用しているが、本当にクールに格好良い演奏が続いている。
Jeremy Peltの、熱さと流暢さとをバランスよく配したトランペット本来の音の魅力を聴かせるサウンドの見事さ。
Billy Drummondの、堅実でありながら全体をスウィングさせるドラムの心地良さ。
そして演奏をきりりと締めるのはDanny Grissettのピアノということでしょう。
Ron Carterは、ウォーキングとかベテランの巧みさを見せるが、全体にはあまり派手な演奏はしてない印象。
バラード曲では、良い味出してましたが…。
タイトルが"Jive Culture"とある通り、新旧のスウィング感を表現しているような構成。
PartIが黄金時代のストレートにモダンジャズの王道を突き進むようなスウィング感を、PartIIで最近のコンテンポラリーにクールなスウィング感を表現しているってことなんでしょう。
前半の温度感高めの熱い演奏の楽しさも良いですが、最近聴いてる音楽の流れから、温度感低めの後半の演奏に親近感を抱くのはしょうがない。
ベストは、8曲めでしょう
Jeremy Pelt "#Jiveculture"(http://www.amazon.co.jp/dp/B018A7OSV6/)
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