"いそしぎ Live" 片山広明

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1977,78年の片山さんの演奏の発掘音源で、録音場所は、西荻窪・アケタの店(奇数曲)と八王子・アローン(偶数曲)。
八王子・アローンは、生活向上委員会大管弦楽団(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a8022528.html)のアジトであったことで有名で、1976年に録音された音源がCD化されています。
 "集団疎開 Live at 八王子アローン" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a32084777.html)

なんで、"集団疎開"から"生活向上委員会大管弦楽団"への過程の時期にあたり、後の生向委のメンバーが片山さん、亀山さん、早川さん、佐藤さん、と参加しています。
本作は実は2009年にリリースされていて発売当時はタイミングを逸して購入していなかったのですが、先日縁ありましてようやくの購入に至りました。

片山さんに、ドラムの亀山さん、ギターの堀上さんが全出演、近年の盟友である早川さんがトロンボーンの佐藤さんと共に奇数曲に加わるというメンバーは以下の通り。
片山広明(Ts)、亀山賢一(Ds)、堀上高由(G)
佐藤春樹(Tb:1,3) 、早川岳晴(B:1,3) 、石井八允(B:2,4)、明田川荘之(P:1)

演奏曲は、アルバムタイトルの"いそしぎ"に"朝日"に・・・という布陣。
1. Sombrero Samba
2. The Shadow of Your Smile
3. The Blues
4. Softly As in a Morning Sunrise


ベースとテナーのイントロからスタート。ドラムがビートを刻み始めることで本編スタート、テナーソロ、テーマ、トロンボーン、ピアノソロとてんこ盛りに濃い演奏の前半と、後半に向かっての堀上さんのギターとこの曲だけ出演の明田川さんのピアノの掛け合いがなんとも素晴らしい
最後は4者入り乱れの即興大フリー大会から、さみだれ式にテーマになだれ込む。この瞬間がまた格好良い。
重厚なドラムソロから始まる2曲め。突然おもむろに始まる、あのテーマにのけぞる。
のけぞるが、これぞムードミュージックとフリージャズをつなぐが如くの片山節、中央線ジャズと言いたい演奏に感嘆せざるを得ない。
3曲めは、延々即興が続いた最後に、C JAMブルースみたいなテーマが出て終わるくせ者な曲。
最後はひたすらブローしまくる片山テナーが気持ち良い。
元テーマのコードを尊重した即興が基本で、2曲めとは違うアプローチを見せていながら片山さんの個性はしっかり楽しめ。

これは、70年代末の中央線ジャズの勢いのある演奏を楽しむには格好のアルバムと言えそうです。
堀上さんが石渡さん、亀山さんが湊さん、ベースは早川さんのままと変遷すると、Happy Hour になったりもするので、約35年前から似たような編成を気に入って演奏を重ねてきたことが窺い知れるってもんです。

ベストは1曲めになるんでしょう。



"いそしぎ Live" 片山広明(http://www.amazon.co.jp/dp/B001W1JT6M/)

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