Esperanza Spalding "Emily's D+Evolution"
このアルバムは2バージョン出ていて12曲入りの通常盤と、14曲入りのデラックス盤、さらに国内盤は1曲多い15曲入り。
購入したのは、14曲入りのデラックス盤で最後の2曲が追加になっているようです。
Esperanza Spaldingのリーダー作も順番はおいといて、ひと通りは聴いていますがジャケットの変遷をみていると楽器(ベース)の扱いが徐々に小さくなっていくのがよく判るのが。。
前作では、ラジカセにとって代わられ、本作ではそれすら裏ジャケに回されています。
"Junjo"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61197577.html)
"Esperanza"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59631520.html)
"Chamber Music Society"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60189919.html)
"Radio Music Society"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61235597.html)
メンツは、ギター、キーボード、ベース、ドラムを中心にしたこじんまりしたもの。
ボーカルがEsperanza Spalding以外に2~3人入るのが特記事項。
知ってる名前は、ギターのMatthew Stevensで、昨年の初リーダー作他で聴いています。
"Woodwork"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63289272.html)
Esperanza Spalding(B,Vo,P,B)、Justin Tyson(Ds)、Karriem Riggins(Ds)、Matthew Stevens(G)
Emily Elbert(Vo)、Corey King(Vo,Key,Tb)、Nadia Washington(Vo)
演奏曲は以下の通り。誕生日の前の晩に見た夢の中に出てきたもうひとりの自分を主人公にしたミュージカルのようなコンセプトで作られたアルバムとのこと。
クレジットは12曲め以外のすべてEsperanza Spaldingのオリジナルで良いようです。
01. Good Lava
02. Unconditional Love
03. Judas
04. Earth To Heaven
05. One
06. Rest In Pleasure
07. Ebony And Ivy
08. Noble Nobles
09. Farewell Dolly
10. Elevate Or Operate
11. Funk The Fear
12. I Want It Now
13. Change Us
14. Unconditional Love-Alternate Version
エスペランサのボーカルにコーラスが加わる声が主役であることは間違いない。
演奏はドラム、ギター、ベースが主に担うが、各楽器ががっつりとしたソロをとるような場面もあまりなく、そういう意味では演奏だけを取り出してとりたてて耳をそばだてて聴くってかんじではないかも。(フレーズ単位では...)
アレンジは大仰なものも含めてしっかり作り込まれているのは感じられるが、基本的にはロックのイディオム。
曲によって差はあるが特にベースが前面に出て目立っている感じでもなく、ベースソロも他の楽器同様にあまり出てこないのでベース奏者として前面に出る意図はこのアルバムではなさそう。
とはいえ、以前からEsperanza spoldingがベースを弾くビジュアルには相当なインパクトはあるが…。
若手ジャズギタリストの一翼を担うMatthew Stevensのギターも、変幻自在的に印象的なギターサウンドを聴かせるが、それでも即興ソロをがっつりと繰り広げるんじゃなく、音楽の中に印象的なフレーズを散りばめているような起用。
それでも、なかなかなインパクトを出しているのは存在感のなせる技か。
もはやジャズというジャンルに収めておくべきサウンドではなくなっていると言って良いでしょう。
と、ジャズな耳での感想を書いているのは、このblogがそういうものだから(笑)
逆に言うと、(狭義のになるでしょうけど)ジャズを意識しなければ、見事に構築された一大絵巻を楽しめる。
共同プロデューサにDavid Bowieの遺作のプロデュースをしているTony Viscontiを迎えているのも完成度が高い一因か。
満足度というか聴き応えは、もの凄くある作品に仕上がっています。
ベストは8曲めにしときますが、13曲めもなかなか良い曲なのでデラックス盤を買うのをお勧めします。
Esperanza Spalding "Emily's D+Evolution"(http://www.amazon.co.jp/dp/B019PL3C68/)
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