板橋文夫 "ダンシング東門"

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板橋文夫さんのソロライブ作で、2005年6月に青森は寺下観音茶屋東門(http://www.t-toumon.jp/toumon/)での録音。
この直前に、林栄一さんとのデュオ作が2つリリースされててその流れで聴いています。

自blogで、板橋文夫さんのアルバム(+ライブ)の紹介は多数(15記事くらい)あるのですが、今回あらためてソロ作だけを抜き出してみたら、1/3はソロが占めていました。(たぶん、竹村,瀬尾とのトリオ"Fit"が一番多い)
 "わたらせ"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a53592320.html) 2008年はこんな状態(自分が)ですからねぇ(恥)
 "ジャズピアノ入門"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a58548403.html)
 "North Wind"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59010009.html)
 "Nature"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59202361.html)
 "Live At Watarase"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60961673.html)

 "ソロ(2010/0123)"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a59048747.html)

板橋さんのピアノの魅力は、そのピアノの持っているポテンシャルを引き出し、剥き出し、暴き出して弾き倒すサウンドにあると思ってるんですが、そうなるとそのピアノの本性を聴くのに他の音は必要ないとも言えるわけで、板橋さんの真骨頂はソロ作にこそあると言っても過言ではない。
とはいえ、ソロ作以外に聴くべきものがないなんてことは当然なく、特に最近の竹村、瀬尾とのトリオ"Fit"の素晴らしさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

が、今日はソロ作の紹介なので、演奏者はひとりだけ。
板橋文夫(P)

演奏曲は以下の通り。板橋さんのライブで聴きたい曲の大半が入っているので、とてもお得感あります。しかも2枚組。

Disk1
01. インプロ・東門の夜
02. I Mean You (T.Monk)
03. Alligator dance
04. 生活の柄
05. 志乃のタンゴ

Disk2
01. 平和に生きる権利 (V.ハラ)
02. 曲がりょ高頂 (奄美の島唄)
03. スプリング・ブルース
04. 渡良瀬
05. 上を向いて歩こう
06. フォー・ユー
07. グッド・バイ
08. MUSANDUZA (D.Brand)

低音を響かせた左手の強いタッチが繰り出す強靭なリズムに、右手がガツガツとメロディをのせていくパワフルな板橋サウンドはいつでも健在です。
演奏自体は(いつものように)荒々しさを感じるものの、演奏が滞る場面も少なくミスタッチも少なめでこのライブの日は、結構調子良かったんじゃないかと感じさせる。
1枚めはパワフルな演奏のものが多め。
2枚めはもう少しメロディアスな演奏のものが多いよう。
2枚め冒頭の平和に生きる権利は、普段聴く他のバージョンより跳ねるようなリズムを加え軽めに弾かれてて、ちょっとイメージが変わる珍しい曲調のバージョン。
2枚めの後半で、渡良瀬、フォーユー、グッドバイと板橋さんの名曲が続くが、これらこそが板橋演奏するところの美旋律の宝庫。
"海は広いな大きいな"から始まり、たゆたう渡良瀬川の勇壮な流れにつながる名曲。
軽やかにさらりと短時間で弾ききる"上を向いて歩こう"。
前半ではピアニカが主旋律を担うフォーユーも、しみじみ心に沁みる旋律であることをあらためて実感。
ピアノだけでしっかりじっくり弾き倒しきって演奏されるグッドバイ。これも溜まりません。

全体に演奏の雰囲気が明るく感じるのは、本人の調子が良いこともありそうだが、会場か聴衆かの雰囲気が良かったことも影響していそう。
しかし、気持ちよく楽しそうに演奏している感じが良く伝わってくる良いライブ収録だと思います。
ちなみに、disk2の5曲目以降がアンコールのよう。

てんこ盛りの内容に、聴くたびにほとんどお腹一杯になりながら聴いてましたが、それだけ聴き応えを感じさせる密度の濃いアルバムでありました。ゲップ

ベストはDisk2の8曲め、一番最後のDollar Brandの明るい曲にします。


板橋文夫 "ダンシング東門"(http://www.amazon.co.jp/dp/B00DT3PP1Y/)

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